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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
ノーマルカプっぽいですが、微妙にBL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

ガンダム00、ソーマ+アレルヤ(+ティエリア)です。
全年齢対象だとは思いますが、アレルヤの記憶喪失ネタです・・・。
(BL要素の時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

タイトルのとおり、捏造バンザイな内容になってます。(汗)




【 捏造アルカディア 】



「すごく、悲しそうな顔をしてた・・・」





晴れ渡った青空の下、ソーマ・ピーリスはのどかな公園のそばを長身の青年と歩いていた。
彼の名はない。
1年ほど前、ソレスタル・ビーイングとの激しい戦闘の末、宇宙で保護された彼は、記憶というものを一切所持していなかった。
シェルターのようになったコックピットの中で、彼は負傷し、宇宙空間を流れていたのだ。
そこを、戦闘で破損したティエレンの回収部隊に発見され、保護された。
機体はどこにも存在しなかった。
おそらく、大破した機体から、コックピットのみを切り離して、パイロットの保全を図るシステムでも搭載していたのだろう。
だが、どこにでもあるようで、どこのものでもないコックピット、見たことのないパイロットスーツ。
そして、ソレスタル・ビーイングのガンダムとの戦闘区域と程近い場所で保護された彼が、どういう存在なのかは、状況的に判明していた。
そして、声門照合に因り、彼が被験体E-57であることも判明した。
あの、羽付きのパイロット。
ミン中尉を惨殺し、セルゲイ中佐に負傷を追わせ、自分の名を、歪んだ笑いと共に伝えてきた男。
生身で会うことがあるなら、殴ってやりたいと、殺してやりたいと思った相手。
あの時の燃えるような憎悪は、今でも鮮やかに思い出せる。
それなのに。
脳量子波を遮断するガラス越し、病院で相見えた彼は。
白い病室で、ぼんやりと虚空を見つめていた。
負傷により顔の半分を包み隠す包帯、度重なる脳検査と自白剤による夥しい腕の鬱血。
長い病床に因り幾分かほっそりと衰えた、保護した際は負傷があってなお鍛え上げられたと解った肉体。
そのすべてが、憎悪というより、同情を引いてやまなかった。
自分にそんな感情があるなど、思いもしなかったソーマに、彼はそう思わせるほど憔悴して見えた。
彼は、どう考えても状況的にソレスタル・ビーイングの関係者だ。
その彼から、何らかの情報を引き出したいのは誰もが持つ思惑だった。
だが、彼は何も覚えていなかった。
だからといって、無罪放免に出来る人物でもない。
人革連としても、各国の手前、無下に処断することも出来ず、だからといって保護している事実も隠匿しなければならない。
ソレスタル・ビーイングは特殊すぎる集団だ。
世界の改革者でもあり、敵でもある。
情報を引き出すまで、彼の保護を明らかにしては、各国を敵に回すかも知れないという問題を抱えている。
だから、彼の存在は人革連でも、ごく一部の者の間でのみの存在となっていた。
怪我が癒え、後はその記憶のみというところまで来て、その存在はソーマの身に委ねられた。
同じ超兵機関出身ということで、何らかの影響が出るのではないかという、上層部からの思惑で。
問題の脳量子波は、さすがに四六時中パイロットスーツを着込むわけにもいかず、脳量子波を中和する周波を出す機器の開発で解決された。
さすがに中和、というだけあってそれを所持している時は、常人と同じ身体機能にまで落ち込んでしまうが、地上でモビルスーツ戦闘時と同じだけの身体機能を必要とすることは早々ない。
そのため、その機器の使用が可能となったのだ。
それを身に付け、ソーマと彼は地上で生活を共にしている。
地上の方が刺激が多いだろうという、上層部からの指令で、ソーマは彼の保護監察として彼のそばにいる。
彼と生活を共にして解ったことは、本来の彼がどうであるかは知らないが、いたって穏やかな気質であるということだ。
常に周りの和を気にし、人の視線に酷く敏感な繊細な人物。
そんな彼が、記憶を失うということは、よほどのことがあったのではないかと、ソーマは考えている。
人の記憶というものは、その本人に耐え難い苦痛を与える場合に封印されることがあるという。
つまりは、彼は生まれてからこれまで、すべてを消し去ってしまいたいほど、苦痛に満ちた人生を余儀なくされてきたのではないかと。
記憶を失っている現在、酷く繊細な精神を持つ彼に、針の筵のような人革連の詮議、記憶回復のための検査はあまりにも酷ではないかと。
だが、政府の方針は一介の少尉であるソーマにはどうすることも出来ない。
だから余計に、同情という感情が浮かび上がってくる。
穏やかな表情を浮かべ、横を歩く長身の青年に、ソーマは視線を投じた。
怪我は癒えたが、傷が残ってしまった酷く整った顔。
その顔の半分を、長い黒髪で隠した彼。
保護して、それからほとんど手を入れず伸びた髪は、軽く後ろで一つに束ねている。
彼はもともと、どんな人物だったのだろうと、ソーマは考える。
今の穏やかな彼を見ていると、とてもミン中尉を惨殺したような人物とは思えなかった。
セルゲイ中佐のティエレンを破壊し、己の名を歪んだ笑いと共に伝えて来た者と同一人物だとは。
片方だけあらわになった彼の瞳が、ソーマの視線を感じてか、不意に降りてきて、困ったような色を浮かべた。

「ごめんね、何も思い出せなくて」

「・・・」

ソーマの心を読み取ったかのように、彼は申し訳なさそうに謝る。
彼が謝る必要などどこにもないのに、彼は記憶を取り戻せないことを謝る。
思い出したくないほどの何かがあったのだとは、彼自身考えてもいないように、すべてが自分の責任のように彼はいつも謝るのだ。
ソーマはその謝罪を聞くたびに、言葉に詰まる。
仕方ない、とは思えない。
だが、早く思い出せとも言えない。
そんな歯がゆい思いが、ソーマの口を閉ざしてしまうのだ。
むしろ、彼の記憶を閉ざしてしまうほどの外的要因を作った周りを断罪したいとソーマが思ったとき、不意に彼の視線が遠くに投じられた。

「・・・あ・・・」

「どうした?」

彼の視線を奪ったのは、公園から羽ばたいた無数の鳥の羽音だった。
その羽音の先に、ベンチに座り端末らしきものを操作している人物がいる。
ソーマが彼を見上げると、彼の視線はそのベンチに腰掛けた人物に吸い寄せられるように集中していた。
別段、変わった人物というわけではない。
色の白い、東洋人のように真っ直ぐな濃い色の髪の人物だった。
その人物が、彼の視線に気付いたのか、ふと視線を上げ、彼を見つけ、その瞳を見開いた。
見覚えが、と問おうとしたソーマの声は、音になる前に皮膚を弾く甲高い音に抹消された。
ベンチに座る人物が、彼を認めた途端、駆け寄って彼を殴りつけたからだった。

「・・・っ」

「何をする!」

「君は、今までどこにいたんだ!」

あまりの行動にソーマが上げた声は、彼の襟ぐりを掴み上げたベンチの人物の声に重なった。
珍しく赤い瞳をしたベンチの人物は、続き様に彼を殴ろうとしたので、ソーマは間に割って入ってそれを阻止した。
少女の割りに強い力に、第二撃を阻止された赤い瞳の男は、忌々しげにソーマを睨みつけた。
だが、これまで超兵機関出身ということで冷ややかな視線に慣れていたソーマは、そんな視線などに怯みはしなかった。

「彼には記憶がない。それを考慮したうえで、さらに打撃を加えるつもりですか」

「記憶が・・・、ない・・・?」

ソーマが厳しく言い放つと、赤い瞳の男は冷や水を浴びせられたかのように、血の気がうせたようだった。
するりと、彼から腕が解けた。
そして、迷子のような途方にくれた視線を彼に向けた。
その視線を受けて、彼も焦ったように言葉を捜していた。

「あ、あの・・・っ。僕のことを、知っている? ・・・人、ですか?」

「・・・」

何とかつっかえながらも言葉をつむいだ彼に、赤い瞳の男は一瞬泣きそうな顔を浮かべ、そして表情を隠すように俯き、かけていた眼鏡に触れた。

「・・・いや、すまない。人違いだ」

そういい、振り返りもせずに二人の下を去っていく。
どう見ても、人違いなどであるはずのない反応を見せてにもかかわらずだ。
彼は、他人の反応に過敏で、そういった拒絶を示す相手には深く介入しないと解っていたソーマは、彼をその場に残し、赤い瞳のとこのあとを追った。

「待ってください。あなたは彼のことを知っているのでしょう」

「では君は、彼に辛いばかりの過去を思い出させたいのか!」

「・・・」

「彼は、今のままの方がいい・・・」

赤い瞳の男に追いついたソーマはその背中に疑問をぶつけた。
だが赤い瞳の男の言葉に、ソーマは沈黙するしかなかった。
政府の方針に従うならば、無理にでもこの男から情報を引き出し、彼の記憶の糸口を探し出さねばならないだろう。
強硬手段に出るならば、彼を拘束してでも政府に引き渡すのが今のソーマの役割だ。
それにソーマ自身、本来の彼を知りたいとも思う。
だが、それは彼に、封印するほどまでに辛かった記憶を取り戻させることに繋がり得る。
任務である以上、悩むべくもない問題であるが、彼と生活を共にするようになってから、ソーマは必ずしもそれが正しいことなのか疑問を抱くようになっていた。
政府の方針は、国にとって有益なことだ。
それはすなわち、国に住むすべての人民に有益なことに繋がる。
だが、個人の感情はどうなるのか。
彼が何も思い出さず、このまま穏やかに暮らしていくことは出来ないのか、と。
思い出すということは、きっと苦痛に繋がる。
多くの人々の幸福のために、個人の感情を殺してしまってもいいのだろうか、と。
そんな相反する感情を抱き、困惑しているソーマに、赤い瞳の男は見ているソーマでも心が痛くなるような視線を彼に向けもう一度、今のままがいい、と呟いてソーマの前から去って行った。
そんな赤い瞳の男を、ソーマは追うことが出来なかった。
赤い瞳の男を追うことも出来ず見送って、ソーマは迷子になってしまったような気持ちで彼の元へと戻った。
彼は二人を追うでもなく、あの場所で二人のやりとりを遠巻きに眺めていたようだった。

「あの人は、僕の事を知っていたんでしょう?」

彼は戻ってきたソーマにそう尋ねた。
けれど、ソーマはそうだ、と答えることが出来なかった。
ふたりのやりとりを眺めていれば、それが自ずと正解であると解っていながらも、彼は確証を得たいかのように。

「あなたは、今のままの方がいいと、それしか言ってくれなかった」

「そう・・・」

ソーマが答え視線を彼に向けると、彼は赤い瞳の男が去っていった方向へと視線を投げていた。
自分と話をしているはずなのに、彼の意識は完全に去っていった赤い瞳の男に向けられている。
これまではそんなことが一度もなかったソーマは、喪失感のようなものを覚えた。
彼の意識が、自分に向いていないという喪失。
それが妙に悲しくて、ソーマは視線を足元に落とした。
あまりにも彼と長く接しすぎた、とソーマは思った。
彼の人となりを知らなければ、こんな感情など抱きはしなかっただろうと。
ただ、ソレスタル・ビーイングの関係者として、あの羽付きのパイロットとして憎しみだけを向けているべきだったと。
そうすれば同情など向ける余地もないほど、彼のことを憎んでいられたのに。
今のように、彼の意識の中に自分がいないことに悲しみを感じることなどなかったはずだろうと。

「あの人は、僕とどういう関係だったんだろう。思い出してあげたいな」

「何故、そう思うんだ?」

ソーマが再び視線を上げると、彼はそんなことを呟いた。
その呟きに、ソーマが問いかけると。
ソーマに視線を送ることなく彼は、あの赤い瞳の男と同じように、ソーマまで泣きたくなるような悲しげな顔で小さく呟いた。



「すごく、悲しそうな顔をしてた・・・」


- END -
 

 ***** あとがき。*****************************************

何だろう、この小話は。ソーマ→アレルヤっぽい?(汗)

冒頭で説明したとおり、捏造バンザイな内容でごめんなさい。
脳量子波のこととか、コックピットのこととかよく解ってないままに書いてるから、おかしいところが一杯あると思います。
その上、一度間違って消えちゃった小話だから、内容が何かオカシなことになってるような。

どこにでもあるような記憶喪失ネタ。無駄に長くってごめんなさい。
でも捏造は捏造でも4年後妄想でなく、1年後くらい。
自分でも、どうしてそんな半端な時間軸設定にしたのか謎なんですが。

赤い瞳の男って言うのはもちろんアーデ様です。
きっとこのお話のアレルヤとティエリアは、マイスター時代出来上がっていたんでしょう。
だから、行方不明だったアレルヤを見つけて、アーデ様は暴挙を・・・。
って、説明しなくちゃ解らない内容でごめんなさい。

何かホント無茶苦茶な話だなーって自分でも思うんですが。
補足なくても読めるお話を書けるようになりたいですね・・・。
まぁ、もともと小話書くの苦手なんですが。(汗)

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