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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

ガンダム00、アレルヤ×ティエリアです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)




【 ピジョンブラッド 】



「ねぇ、覚えておいて。僕は君が好きなんだ」



人革連超兵機関破壊ミッションの後より、ティエリア・アーデはイラついていた。
それもこれも、そのミッションの後、アレルヤ・ハプティズムによって告げられた言葉が不可解であったためである。
ソレスタルビーイング、ガンダムマイスターである自分と彼の間で、何故、好悪の感情をわざわざ口に乗せるのか、それが理解できないためだ。
仲間である以上、好悪において、好意を抱かれるのは悪いことではない。
嫌悪が募れば、それからマイナスの感情が働き、ミッション遂行時の妨げになることもありえる。
だが、好意であれば、むしろミッション成功率は上がるだろう。
しかし、何故それを、わざわざ口に出すのか、それがティエリアには解らなかった。

「忌々しい」

ティエリアは一人ごち、柳眉を潜め、我知らずロッカーを乱暴に閉めた。
大きな音に、そばで着替えていたロックオンが大仰に驚いた。

「何だぁ? 今日のミッションに不備はねぇはずだろ?」

そこにいたことに初めて気づいたと言うように、ティエリアは小さく瞬きをした。
そして、静かに眼鏡をかけ、ロックオンに向き直った。

「ロックオン・ストラトス・・・」
「ん? 何だ?」
「話があります。後で待機室に来てください」
「へ?」

ロックオンの返事も聞かず、ティエリアはロッカールームを後にした。
彼が来ないかもしれない、などということは端から考えていない行動だ。
ティエリアが出て行ったドアに向かって、ロックオンはため息をついた。
行かない、と言う選択肢は、許されない。
むしろ、遅く行くだけで、ティエリアの理路整然で隙もへったくれもない小言攻撃がくるのがわかっているからだ。
呼び止める間もなく出て行ったティエリアに、ロックオンはもう一度深くため息をついて、そそくさと着替えを再開したのだった。



『ティエリア、好きだよ』

酷く憔悴した顔で、アレルヤ・ハプティズムはティエリアに告げた。
面持ちはいつものようにゆるく笑んでいるのに、今にも泣きそうな、頼りなげな瞳で。
彼の言動が理解できないティエリアが不可解だという表情を浮かべると、アレルヤは悲しげな瞳を隠すように瞳を閉じて、言葉を続けた。

『返事はいらないよ。ただ、知っていて欲しかっただけだから』
『それを知らせて、どうなると言うんだ。俺に何かしろとでも?』
『君には何も望まないよ。今までどおり、在りのままを見ていてくれるだけでいい』
『それならば何故、わざわざ言いに来たんだ。理解できない』
『理解なんか、ティエリアはしなくていいんだよ。でも、知っていて欲しかったんだ』

アレルヤの理解できない行動に、ティエリアはその秀麗な顔を歪めた。
にこりと笑ったアレルヤに、障壁のような何とも言いがたいものを感じたために、それ以上の追求も出来ないままに。
そして最後に、アレルヤは重ねて言ったのだ。

『ねぇ、覚えておいて。僕は君が好きなんだ』

と―――。



慌てる、と言うよりは多少ゆっくりと、ロックオンは待ち合わせの場所に着いた。
後で、と言われたが、すぐに、と言われたわけではないからだ。
だが、多少のんびりとしたところで、怒られる言われはない、と言う彼なりの言い訳も用意してある。
ミッションを終えたばかりで、疲れた体を休める時間が欲しいのが本音だが、そんなことを言えば、ティエリアに体力練成がなってないなどと言われかねないからだ。
待機室に着けば、ティエリアがいつからそうしていたのか、整備中のガンダムをじっと見つめていた。

「よぉ、待たせたか・・・?」
「多少、待ちましたが、時間を指定しなかったのは俺です」
「そのとおりだな」

声をかければ、皮肉交じりのティエリアの声が返ってきた。
だが、その声に謝罪してやる義理はない。
ロックオンはティエリアの横に並んで、整備中のガンダムを見下ろした。
ほとんどの攻撃はGNシールドで防げるとはいえ、それでも機体にはさまざまな損傷が起こるものだ。
無機物である以上、自己修復する物ではない。
小さな損傷も、放っておけば大きな破砕、ひいてはミッションの失敗にも繋がりかねない。
4機しかないガンダムだ。
整備はミッションごとに細部までチェックが入る。
ハンガーではイアン・ヴァスティを筆頭に作業員やハロたちがせわしく動き回っていた。

「で、話ってのは何だ?」

整備を眺め、いつまでも口を開かないティエリアにロックオンは痺れを切らして口火を切った。
正直、話なんてものはさっさと終わらせ、ベッドに横になりたい気分なのだ。
ティエリアの顔を覗き込むように問いかけると、不機嫌ここに極まれり、と言う顔つきのティエリアと目が合って、ロックオンは内心しまったとした打ちした。
なまじ、綺麗な顔をしているティエリアだけに、その形相は恐ろしい。
だが、その恐ろしい形相のティエリアから、予想外の言葉を聞いて、ロックオンは瞳を瞬いた。

「ロックオン・ストラトス。好悪の感情を口にあげるのには、一体どういう意味があるんですか」
「は? 何だ、誰かに告白でもされたのか?」

そりゃめでたい、というか、こんな鉄面皮に告白するとは何という勇者だ、なんてちょっとのんきに考えていたロックオンだったが、さらに続いた名前に一瞬頭の中が真っ白になった。

「アレルヤ・ハプティズムに、好きだと言われた」
「え?」
「聞こえなかったのですか? アレルヤ・ハプティズムに」
「いや! 聞こえてる! 聞きたかなかったが、しっかりと聞こえた!」

必死に混乱の中から立ち直ろうとしているロックオンを他所に、ティエリアは不機嫌そうに眉を顰めた。
アレルヤの言葉も不可解だったが、ロックオンのこの状態も不可解でたまらなかったからだ。
ハンガーに落としていた視線を体ごとロックオンの方に向き直り、ティエリアは問を重ねた。

「彼に好きだと言われたが、俺はどうするべきなんでしょうか」
「えーと、つまりその場では返事をしなかった、ってことか? だったら返事をしてやるべきなんじゃないか? Yesにしろ、Noにしろ、返事がない生殺しってのは」
「返事はいらない、と本人に言われた」
「何だよ、そりゃ・・・」
「それが解らないから、あなたに聞いているんです」

アレルヤがティエリアに告白した、と言う時点の混乱は一応、落ち着いたものの、その後のアレルヤの言葉にロックオンはまたも混乱した。
普通、告白すると言うことは、現状では満足できないから、アクションを起こし相手のリアクションを必要としている、と言うことだ。
それなのに、アレルヤはティエリアの言葉からすると、リアクションは必要ないということだ。
それは、告白には意味がないということになりはしないだろうか。
ロックオンの範疇からは、アレルヤのそんな行動は矛盾していて理解が出来ない。
理解できないのに、ティエリアはそんなロックオンから回答を引き出そうとしている。
ないものを出せと言うのは、土台無理な話だ。
追い詰めるようなティエリアの視線に、ロックオンは両手を挙げて逃げてしまいたくなったが、それでは頼りにされた(?)身としてはいささか情けない。
ここはマイスターズのリーダーとして、何とか活路を開かねば、とロックオンは話題を転化してみた。

「返事はいらないっていうなら、放っておけばいいんじゃないか? 何で、俺に尋ねる必要がある?」
「俺だって放っておきたいのは山々です。だが、あまりに不可解すぎて、気が散るんです」
「気が散るって・・・。じゃぁ、お前さんは、アレルヤの告白をどう思ったんだ?」
「・・・え」
「嬉しいとか、気持ち悪いとか、困ったとか」
「・・・」

そこで、ティエリアの言葉が止まったのをロックオンはおや、と思った。
好きな相手からの告白ならば嬉しいものだろう。
嫌いな相手からならば、気持ちが悪いだろう。
嫌いではないが、好きかどうか解らないなら、困っただろう。
ティエリアのこの反応は、選別するならば第三者に近いものがある。

「・・・あなたの言葉を借りるならば、困った、と言うのが一番近いと思う」
「ふぅん、そうか」
「だが、返事はいらない、と言うのがわからない。資料を当たってみたが、こういう場合、多くは相手に何かを望むから、言葉にするんでしょう?」
「まぁ、普通はそうだな。相手の心だったり、体だったり」
「アレルヤ・ハプティズムは俺には何も望まない、知っているだけ、在りのままを見ているだけでいいと言ったんです」

資料って何だ?! と言う突っ込みを入れそうになりながらも、務めて冷静に振舞いながら、ロックオンはアレルヤの矛盾だらけの行動に眩暈を覚えた。
普段は人当たりもよく、大して問題のなさそうに見えたアレルヤなのに、よりにもよってこんな妙な問題を作られて、ただでさえミッションで疲れ気味の体なのに、どっと疲れが増したように感じる、
さらには、じっと答えを待つティエリアの視線にも耐えかねて、

「あー、もう。そんなに気になるなら、本人に聞いて来い! それが一番手っ取り早い!」

と。
結局、ロックオンは問題を丸投げにすることを選んだのだった。



明確な答えが得られないまま、ロックオンに匙を投げられたティエリアは、途方にくれていた。
ロックオン・ストラトスならば、このイラつきに決着を付けてくれると思ったのに、とんだ見当違いだった。
むしろ、刹那・F・セイエイに尋ねればよかったかと考えもしたが、何となく彼に尋ねるのははばかられるような気がして、結局、イラつきは前以上のものとなっていた。
不快感が不愉快を生んで、さらに不快感が募るという悪循環に耐えられなくなり、ティエリアはそもそもの元凶であるアレルヤにその感情を投げつけることにした。
初めからそうするべきだったと、回り道をしてしまった自分にさらにイラつきながら、アレルヤの部屋の前に立った。

「・・・ティエリア? どうしたの?」

普段からロックをしないのか、アレルヤの部屋の扉は、ティエリアが立ったと同時に、小さな摩擦音を漏らしながら開いた。
扉の開く音に視線を向けたアレルヤは、その訪問者に驚きを隠そうともせず、誰何した。
その普段と変わりない反応に、ティエリアは余計に腹を立てた。
自分はアレルヤのあの告白以降、不快感が募る一方だと言うのに、当の本人は全く何事もなかったかのような態度なのだ。
資料によれば、告白の後、相手の反応がなかなか得られない場合、焦燥や不安が募るものだと言うことなのに。

「アレルヤ・ハプティズム。説明を求める」
「えーと、何の説明かを言ってもらわないと解らないんだけど」
「先日の、俺を好きだと言ったことについての説明だ」
「あぁ、あのこと。あの時言ったとおりだよ。僕は君が好き」
「それは解った。だが、返事はいらないと言うのがわからない。普通は返事を求めるものだろう」
「ティエリアから普通、なんて言葉が出るとは思わなかったな」

くすくすと、面白そうに笑うアレルヤに、ティエリアは何かが切れるような感覚に襲われ、その感覚のまま、アレルヤの胸倉を掴み上げた。

「殴られたいのか、アレルヤ・ハプティズム。俺は説明を求めているんだ」
「ごめん、ティエリア。君は他人に興味がないから、気にしないかと思ってたんだ」
「君の行動が不可解で、非常に不愉快だ」
「うん、ごめん」

穏やかに微笑んで、アレルヤはティエリアの腕をやんわりと解いた。
そして、ティエリアにデスクチェアを進め、自分はベッドに腰を下ろした。
ティエリアは勧められるままデスクチェアに座り、ベッドに座ったために少し下から見上げるアレルヤの視線を受け止めた。
その視線は相変わらず、穏やかそのものだった。

「返事はいらないって言ったのはね、解っているからだよ。君は僕のことなんて、好きでも嫌いでもないでしょう。だから、返事はいらないの」
「では、何も望まないと言うのは?」
「僕が何かを望んだところで、君は何も返す気はないでしょ」
「求められるものにもよるだろう?」
「じゃぁ、キスさせてっていったらキスさせてくれるの?」
「愚問だ」
「ほらね。だから、何も望まない」
「在りのままを見ろとは?」
「・・・そのままの意味だよ」

最後の質問について、一瞬回答に間があったのをティエリアは見逃さなかった。
アレルヤは最後の質問の時だけ、一瞬迷って、視線をさまよわせ、いつもの穏やかな笑みを浮かべたのだ。
その上、回答は曖昧なままで。
これまでのように明確な説明のない引っかかる言い方に、ティエリアは不快感を覚えた。

「そのままとはどういう意味だ。俺でなければならないのか。はっきりと説明しろ」
「ティエリアには敵わないね。君の瞳はね、僕への罰なんだ」
「罰?」
「君の瞳は綺麗だから。これから、僕はこれまで以上に、キュリオスで人を殺すよ。でも、キュリオスに乗っている限り、血を見ることはほとんどないだろうね。だから、君の瞳は僕への罰。好きな人の瞳が、僕の罪の色だから。だから綺麗なその瞳で、僕の悪行を咎めて。決して許さないで」
「・・・」

穏やかな表情のその瞳にだけ、陰りが差す。
今にも泣きそうな、頼りなげな輝き。
こちらが悪いことをしているような気分になる瞳。
そんな瞳で、自分を咎めろいうアレルヤ。

「・・・意味が解らない」
「解らなくていいよ」
「君は不可解なことばかり言う。俺にどうしろと言うんだ」
「どうもしなくていいよ」
「・・・君の言動のせいで、俺は不愉快だ。責任を取れ」

自分を掬い見るアレルヤに、ティエリアはため息をつき、当然の権利を行使することにした。
何もしなくていいと言うのなら、逆にアレルヤにはこれだけ自分を不愉快にした償いをしてもらわねば。
その言葉に、アレルヤは瞳を瞬いた。

「えぇと、どうやって?」
「俺のことが好きなんだろう? だったら、この不愉快さを解消しろ、どんな方法を使ってでも」
「えぇ?」
「それくらい、当然だろう。不可解な言動で俺を煩わせるな。慕う相手には常に気を配り、尽くすのが当然なんだろう?」
「まぁ、そうだけど。どこでそんな知識仕入れたの、君」
「君のせいで、余計な知識を仕入れる羽目になったんだ。その代償分もきっちりと俺に尽くせ」
「全く君って人は」
「どうした、アレルヤ・ハプティズム。文句があるのか」
「ううん。ただ、やっぱり好きだなって思っただけ」
「不可解だな、君の思考回路は」

腕組みして睥睨するティエリアに、アレルヤは妙に幸せそうな顔をして微笑んだ。
そしてベッドから降りて跪き、最後に付け加えた。


「ねぇ、ティエリア。理解はしなくていいから、これだけは覚えておいて。僕は君だけが好きなんだよ」


- END -
 

 ***** あとがき。*****************************************

唐突だけど、書いてみたアレティエ話。
なんだかだらだらと無駄に長いだけの与太話ですね。(汗)
このカプで新たなジャンル(下僕攻め×女王様受け)を発見したんだけどなー、反映出来てないですねガクリ。
このカプはナチュラルにSMだと思ってるのになー。
ドMの攻めとドSの受け・・・。

か、感想とか聞けたら嬉しかったりしてな・・・。

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