徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。 |
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で3、景時×譲で現代パラレルです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で3、景時×譲で現代パラレルです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
【 風待ち 】
「ゆずるく~ん、おいてっちゃうよ」
「あ、まってよ。のぞみちゃん。ぼうしが」
抜けるように晴れ渡った青の中に、柔らかな色合いの麦藁帽子が、風に攫われ、高く舞い上がる。
ふわり、ふわりと。
くるり、くるりと。
風に遊ばれるまま、飛ばされる帽子。
一生懸命追いかけているのに、追いつけない。
手が届きそうになっても、気まぐれな風が、触れそうになるたびに、帽子をさまよわせる。
「あっ」
さわさわと、優しかった風が急に強さを増して。
ばさり、と服をはためかせ。
帽子を高く高く舞い上がらせる。
必死に手を伸ばすけれど、風は小さな手から帽子を届かないところまでさらっていく。
「・・・おっと」
届かないところに行ってしまった帽子を、悲しそうに見上げたとたん。
ふわり、目の前だけ風がゆるんだ。
「これは、君の?」
「は、はい」
「今度は、飛ばされないようにね」
届かないと思っていた麦藁帽は、頭に戻ってきて。
風を受けて、耳元でかさかさと音を立てて。
帽子越しに、大きな手のひらの感触。
「あの、ありがとうございます」
「うん。今度は気をつけてね」
帽子を押さえて、お礼を言って。
そうしたら、また大きな風が吹いて。
今度は飛ばされないようにと、ぎゅう、と帽子をつかむ。
風が通り過ぎたあと、つい瞑ってしまった目を開くと。
目の前には誰もいなかった。
周りを見回してみても、寄せては返す波と砂浜が見えるだけ。
助けてくれた、やさしい人は。
大きな麦藁帽のつばで、顔が見えなくて。
わかっているのは、優しい声と、大きな手のひらの感触だけ。
************************************************************
「譲く~ん、おいてっちゃうよ~」
「あ、待って下さいよ、先輩。帽子が」
抜けるように晴れ渡った青の中に、飛ばされる帽子。
風にさらわれ、高く舞い上がる。
ふわり、ふわりと。
くるり、くるりと。
風に遊ばれるまま、飛ばされる帽子。
それに手を伸ばすと。
「・・・おっと」
「あっ」
懐かしい風が、懐かしい声を運んで。
ほとんど同じ視線の中に優しい瞳。
確証はないけれど、きっと。
「これは、君の?」
「はい」
風が運んでくれる、めぐり合い。
気まぐれな風が、起こしてくれる、小さな奇跡。
・・・俺は、新しい風を、待っている。
END
「ゆずるく~ん、おいてっちゃうよ」
「あ、まってよ。のぞみちゃん。ぼうしが」
抜けるように晴れ渡った青の中に、柔らかな色合いの麦藁帽子が、風に攫われ、高く舞い上がる。
ふわり、ふわりと。
くるり、くるりと。
風に遊ばれるまま、飛ばされる帽子。
一生懸命追いかけているのに、追いつけない。
手が届きそうになっても、気まぐれな風が、触れそうになるたびに、帽子をさまよわせる。
「あっ」
さわさわと、優しかった風が急に強さを増して。
ばさり、と服をはためかせ。
帽子を高く高く舞い上がらせる。
必死に手を伸ばすけれど、風は小さな手から帽子を届かないところまでさらっていく。
「・・・おっと」
届かないところに行ってしまった帽子を、悲しそうに見上げたとたん。
ふわり、目の前だけ風がゆるんだ。
「これは、君の?」
「は、はい」
「今度は、飛ばされないようにね」
届かないと思っていた麦藁帽は、頭に戻ってきて。
風を受けて、耳元でかさかさと音を立てて。
帽子越しに、大きな手のひらの感触。
「あの、ありがとうございます」
「うん。今度は気をつけてね」
帽子を押さえて、お礼を言って。
そうしたら、また大きな風が吹いて。
今度は飛ばされないようにと、ぎゅう、と帽子をつかむ。
風が通り過ぎたあと、つい瞑ってしまった目を開くと。
目の前には誰もいなかった。
周りを見回してみても、寄せては返す波と砂浜が見えるだけ。
助けてくれた、やさしい人は。
大きな麦藁帽のつばで、顔が見えなくて。
わかっているのは、優しい声と、大きな手のひらの感触だけ。
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「譲く~ん、おいてっちゃうよ~」
「あ、待って下さいよ、先輩。帽子が」
抜けるように晴れ渡った青の中に、飛ばされる帽子。
風にさらわれ、高く舞い上がる。
ふわり、ふわりと。
くるり、くるりと。
風に遊ばれるまま、飛ばされる帽子。
それに手を伸ばすと。
「・・・おっと」
「あっ」
懐かしい風が、懐かしい声を運んで。
ほとんど同じ視線の中に優しい瞳。
確証はないけれど、きっと。
「これは、君の?」
「はい」
風が運んでくれる、めぐり合い。
気まぐれな風が、起こしてくれる、小さな奇跡。
・・・俺は、新しい風を、待っている。
END
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