徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。 |
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で現代パラレルです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
翡翠×幸鷹の吸血鬼ものパラレルです。
実は以前の【Freeze My Love】の続きだったり・・・。(汗)
こちら単体でも読めると思いますが。
補足として、翡翠さんは神父さん、幸鷹さんはダムピールと呼ばれるご先祖様に吸血鬼がいる種族の人です。
(遙か花街再録)
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で現代パラレルです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
翡翠×幸鷹の吸血鬼ものパラレルです。
実は以前の【Freeze My Love】の続きだったり・・・。(汗)
こちら単体でも読めると思いますが。
補足として、翡翠さんは神父さん、幸鷹さんはダムピールと呼ばれるご先祖様に吸血鬼がいる種族の人です。
(遙か花街再録)
【Freeze My Love】
「やぁ。良い月夜だね、可愛い人」
「・・・」
突然の訪問者に、この教会の持ち主、翡翠はゆるい笑みを浮かべた。
満月の、とりわけ今日のように赤い月の浮かぶ夜は、この世に迷う魔性の血が騒ぐ。
だからこそ、翡翠は彼の訪問を驚くことはない。
そう、それは当然のことであり、彼が作り出した必然なのだから。
「君の瞳のように月が鮮やかだね。誘うように淫らな色だ」
「翡・・・翠・・・」
「今宵は、魔の血が騒ぐだろう? 獲物を求めて、渇きを癒そうと」
手元近くまで迫った煙草の火を無造作に落とし、そのまま踏み潰す。
断末魔のように、小さな煙が音もなく一瞬浮かび、闇の中に掻き消える。
ふわりと、微かに甘さを孕んだ芳香が漂ったかと思った時には、翡翠は床に押し倒されていた。
「おやおや、積極的だねぇ」
「うるさいっ! 解っているだろう!」
「さて・・・。何を、かな?」
「ふざけるなっ!」
茶化すように発した翡翠の言葉に、月夜の訪問者、幸鷹は声を荒げた。
それでもなお、とぼけてみせる翡翠を、幸鷹は襟首を掴み上げ、あらん限りの力をこめて睨みつけた。
だが、翡翠は一向に堪えた様子はなかった。
むしろ、見とれるようにうっとりとその瞳を見返す。
幸鷹の眼光は、琥珀の中にちらちらと血を滲ませたように、赤い光が浮かび上がる。
瑞々しい果実のように見るものを魅了して、食欲さえそそるその赤。
そんな瞳は、凶悪なほどに、見るものの、翡翠の欲をそそる。
人間には、食欲、性欲、睡眠欲という三大欲が存在する。
どれが欠けても、人としての安定を欠いてしまう本能にも近いもの。
それは、人間だけでなく、魔に属するモノにとっても同様で。
しかし、唯一の違いは、魔性にとっては食欲と性欲がほぼ同一に近いということだ。
彼らにとって、食欲を満たすということは、性交に近い快感を伴う。
だからこそ、魔性のものは渇きを癒すため、血を求める。
満腹という、悦楽を得る為に。
「・・・月が、赤いんだ・・・」
「のどが渇くのかい?」
「・・・っ」
「心が騒ぐのだろう?」
「・・・早くっ・・・」
満腹という悦楽。
それは、ダムピールである彼にとっても同じ事。
しかし突然、隔世遺伝で目覚めてしまった幸鷹には、それを受け入れることができなかった。
人間として育ってきた時間が、人を糧とすることを拒む。
気が狂いそうな枯渇感の中、人としての己を失うならばと訪れた教会で、幸鷹は翡翠に出会った。
そして、人としての生活を守る手段を手に入れた。
それは彼がダムピールであるからこそ、行える方法なのかもしれない。
「・・・んっ・・・」
「ほら、駄目だろう? きちんと脚を開いて」
「ひっ、ぁ・・・っ。や、翡翠っ・・・」
「いや、ではないだろう?」
食欲を、性欲に摩り替える。
それが、翡翠が幸鷹に教えた方法。
食欲を、悦楽を満たせと本能が命じるならば、同じような他の悦楽を自らに与えればいいと。
それはもともと実直な幸鷹にとっては、苦渋の決断だった。
翡翠は、渇きを覚え血が騒ぐ時には色に溺れよと幸鷹に言ったのだから。
人間としての自分を失い、人を餌とする化け物になるくらいならばと、良心の呵責を覚えながらもその方法を行うより他なかった。
だが、かといって血の騒ぎは多少の性交では収まりを見せなかった。
気が狂いそうな食欲は、同じように気の狂いそうな性交でしか紛らわせなかった。
翡翠に悦楽の転換を教えられたばかりの頃はまだ、後ろめたさを感じながらも自ら慰めるだけでも何とかなっていた。
だがそれは、はじめのうちだけで、次第に自分だけでは持て余すようになってしまった。
だからといって、紛らわせるために、花町に出向くということは、幸鷹の性格が許さなかった。
しかし、特定の相手がいるわけでもなく、例えいたとしても、通常ではありえないような快楽を求める身体を鎮めるのに、相手にまでそれを強いることもできない。
理性と本能の狭間で、幸鷹は翡翠の教会を再び訪れた。
今度こそ、浄化をと、腹をくくって。
『おや、もう観念してしまうのかい?』
『これ以上は、もう無理です。神父、浄化を・・・』
『もう少し、足掻いてみてからでも遅くはないと思うよ?』
そう言って、翡翠は幸鷹を抱いた。
まるで、逃げる獲物を追い立てるように、幸鷹が我を忘れて気を失うほどに。
泥のように、甘い夜を幸鷹に与えた。
「ぁ・・・、ひすいっ・・・。も・・・、許し・・・っ」
「まだ、だよ。まだ駄目だ・・・」
「は・・・っ、あ、ぁ・・・っ。やぁ・・・」
「・・・もっと、乱れてごらん・・・?」
「あぁっ・・・」
教会という神聖な場で、背徳を背負う。
人であった人ならざるものが、清浄な場で淫欲に溺れる。
聖母マリアのステンドグラスの見下ろす教会でのそれは、何ともいえない快楽になり得るのか。
乱れに乱された幸鷹は、恍惚と陶酔の中で眠りに落ちる。
疲労を浮かべながらも、満たされ安らかに眠るその顔は、実際の年齢より彼を幼く見せ、翡翠は小さく微笑んだ。
「もうこの方法だけでは、足りなくなってきているね・・・」
誰ともなしに呟いて、翡翠は幸鷹をそっと抱き起こす。
身体を揺らされても、深い眠りに落ちている幸鷹は全く目を覚まさない。
確認するように、翡翠は幸鷹の瞼に口唇を落とすが、白い瞼は微動だにしたなかった。
幸鷹が目覚めないことを確認すると、翡翠はおもむろに幸鷹の下に引いていたカソックの胸元を探った。
そこには、細いナイフが丁寧に布に包まれて収まっていた。
そのナイフを布から取り出すと、翡翠はゆっくりと手首にその刃を走らせた。
鋭利な刃は線でも引くかのように、肌を引き裂き血を溢れさせる。
傷ついたその腕を翡翠は幸鷹の口元へと近づけ、滴る血をその口唇へと流し込んだ。
流れ込む液体に、自然と幸鷹ののどが鳴る。
それを満足げに見下ろして、翡翠は幸鷹を横たえ、幸鷹の口唇を濡らす己の血を満足げに舐めた。
「君は嫌がるだろうけどね。・・・でも、知らないことは無い事と同じだろう?」
歪んだ笑みを浮かべながら、翡翠は幸鷹の癖のない指に残ることなく、滑り落ちる髪を撫でた。
あの日、幸鷹が再び浄化を望み、翡翠の元を訪れてから、翡翠は幸鷹に人であるための道を繋げている。
それは、いつもの気まぐれなのか、それとも違う何かなのか。
翡翠自身にもその真意は定かではない。
だが、満月の夜に、自分の元を訪れる、この青年を心待ちにしている自分がいることも気づいている。
「さて、いったい私はどうしたのだろうね・・・」
一人呟く翡翠を、ステンドグラスのマリアだけが、静かに見下ろしていた。
END
***** あとがき。*****************************************
サイトの小話部屋に上げるにはちょっと大人向け表現(?)のような気がしたのでこちらに上げてみました。
でも、実際そうでもないですかね・・・。(汗)
何だかここ最近、翡幸のこういったお話を書きたくて書きたくて仕方がないです。
まともに形になることはほとんど無いんですが。
ワンシーンだけ浮かんで一人妄想トリップして終わってます。(汗)
「やぁ。良い月夜だね、可愛い人」
「・・・」
突然の訪問者に、この教会の持ち主、翡翠はゆるい笑みを浮かべた。
満月の、とりわけ今日のように赤い月の浮かぶ夜は、この世に迷う魔性の血が騒ぐ。
だからこそ、翡翠は彼の訪問を驚くことはない。
そう、それは当然のことであり、彼が作り出した必然なのだから。
「君の瞳のように月が鮮やかだね。誘うように淫らな色だ」
「翡・・・翠・・・」
「今宵は、魔の血が騒ぐだろう? 獲物を求めて、渇きを癒そうと」
手元近くまで迫った煙草の火を無造作に落とし、そのまま踏み潰す。
断末魔のように、小さな煙が音もなく一瞬浮かび、闇の中に掻き消える。
ふわりと、微かに甘さを孕んだ芳香が漂ったかと思った時には、翡翠は床に押し倒されていた。
「おやおや、積極的だねぇ」
「うるさいっ! 解っているだろう!」
「さて・・・。何を、かな?」
「ふざけるなっ!」
茶化すように発した翡翠の言葉に、月夜の訪問者、幸鷹は声を荒げた。
それでもなお、とぼけてみせる翡翠を、幸鷹は襟首を掴み上げ、あらん限りの力をこめて睨みつけた。
だが、翡翠は一向に堪えた様子はなかった。
むしろ、見とれるようにうっとりとその瞳を見返す。
幸鷹の眼光は、琥珀の中にちらちらと血を滲ませたように、赤い光が浮かび上がる。
瑞々しい果実のように見るものを魅了して、食欲さえそそるその赤。
そんな瞳は、凶悪なほどに、見るものの、翡翠の欲をそそる。
人間には、食欲、性欲、睡眠欲という三大欲が存在する。
どれが欠けても、人としての安定を欠いてしまう本能にも近いもの。
それは、人間だけでなく、魔に属するモノにとっても同様で。
しかし、唯一の違いは、魔性にとっては食欲と性欲がほぼ同一に近いということだ。
彼らにとって、食欲を満たすということは、性交に近い快感を伴う。
だからこそ、魔性のものは渇きを癒すため、血を求める。
満腹という、悦楽を得る為に。
「・・・月が、赤いんだ・・・」
「のどが渇くのかい?」
「・・・っ」
「心が騒ぐのだろう?」
「・・・早くっ・・・」
満腹という悦楽。
それは、ダムピールである彼にとっても同じ事。
しかし突然、隔世遺伝で目覚めてしまった幸鷹には、それを受け入れることができなかった。
人間として育ってきた時間が、人を糧とすることを拒む。
気が狂いそうな枯渇感の中、人としての己を失うならばと訪れた教会で、幸鷹は翡翠に出会った。
そして、人としての生活を守る手段を手に入れた。
それは彼がダムピールであるからこそ、行える方法なのかもしれない。
「・・・んっ・・・」
「ほら、駄目だろう? きちんと脚を開いて」
「ひっ、ぁ・・・っ。や、翡翠っ・・・」
「いや、ではないだろう?」
食欲を、性欲に摩り替える。
それが、翡翠が幸鷹に教えた方法。
食欲を、悦楽を満たせと本能が命じるならば、同じような他の悦楽を自らに与えればいいと。
それはもともと実直な幸鷹にとっては、苦渋の決断だった。
翡翠は、渇きを覚え血が騒ぐ時には色に溺れよと幸鷹に言ったのだから。
人間としての自分を失い、人を餌とする化け物になるくらいならばと、良心の呵責を覚えながらもその方法を行うより他なかった。
だが、かといって血の騒ぎは多少の性交では収まりを見せなかった。
気が狂いそうな食欲は、同じように気の狂いそうな性交でしか紛らわせなかった。
翡翠に悦楽の転換を教えられたばかりの頃はまだ、後ろめたさを感じながらも自ら慰めるだけでも何とかなっていた。
だがそれは、はじめのうちだけで、次第に自分だけでは持て余すようになってしまった。
だからといって、紛らわせるために、花町に出向くということは、幸鷹の性格が許さなかった。
しかし、特定の相手がいるわけでもなく、例えいたとしても、通常ではありえないような快楽を求める身体を鎮めるのに、相手にまでそれを強いることもできない。
理性と本能の狭間で、幸鷹は翡翠の教会を再び訪れた。
今度こそ、浄化をと、腹をくくって。
『おや、もう観念してしまうのかい?』
『これ以上は、もう無理です。神父、浄化を・・・』
『もう少し、足掻いてみてからでも遅くはないと思うよ?』
そう言って、翡翠は幸鷹を抱いた。
まるで、逃げる獲物を追い立てるように、幸鷹が我を忘れて気を失うほどに。
泥のように、甘い夜を幸鷹に与えた。
「ぁ・・・、ひすいっ・・・。も・・・、許し・・・っ」
「まだ、だよ。まだ駄目だ・・・」
「は・・・っ、あ、ぁ・・・っ。やぁ・・・」
「・・・もっと、乱れてごらん・・・?」
「あぁっ・・・」
教会という神聖な場で、背徳を背負う。
人であった人ならざるものが、清浄な場で淫欲に溺れる。
聖母マリアのステンドグラスの見下ろす教会でのそれは、何ともいえない快楽になり得るのか。
乱れに乱された幸鷹は、恍惚と陶酔の中で眠りに落ちる。
疲労を浮かべながらも、満たされ安らかに眠るその顔は、実際の年齢より彼を幼く見せ、翡翠は小さく微笑んだ。
「もうこの方法だけでは、足りなくなってきているね・・・」
誰ともなしに呟いて、翡翠は幸鷹をそっと抱き起こす。
身体を揺らされても、深い眠りに落ちている幸鷹は全く目を覚まさない。
確認するように、翡翠は幸鷹の瞼に口唇を落とすが、白い瞼は微動だにしたなかった。
幸鷹が目覚めないことを確認すると、翡翠はおもむろに幸鷹の下に引いていたカソックの胸元を探った。
そこには、細いナイフが丁寧に布に包まれて収まっていた。
そのナイフを布から取り出すと、翡翠はゆっくりと手首にその刃を走らせた。
鋭利な刃は線でも引くかのように、肌を引き裂き血を溢れさせる。
傷ついたその腕を翡翠は幸鷹の口元へと近づけ、滴る血をその口唇へと流し込んだ。
流れ込む液体に、自然と幸鷹ののどが鳴る。
それを満足げに見下ろして、翡翠は幸鷹を横たえ、幸鷹の口唇を濡らす己の血を満足げに舐めた。
「君は嫌がるだろうけどね。・・・でも、知らないことは無い事と同じだろう?」
歪んだ笑みを浮かべながら、翡翠は幸鷹の癖のない指に残ることなく、滑り落ちる髪を撫でた。
あの日、幸鷹が再び浄化を望み、翡翠の元を訪れてから、翡翠は幸鷹に人であるための道を繋げている。
それは、いつもの気まぐれなのか、それとも違う何かなのか。
翡翠自身にもその真意は定かではない。
だが、満月の夜に、自分の元を訪れる、この青年を心待ちにしている自分がいることも気づいている。
「さて、いったい私はどうしたのだろうね・・・」
一人呟く翡翠を、ステンドグラスのマリアだけが、静かに見下ろしていた。
END
***** あとがき。*****************************************
サイトの小話部屋に上げるにはちょっと大人向け表現(?)のような気がしたのでこちらに上げてみました。
でも、実際そうでもないですかね・・・。(汗)
何だかここ最近、翡幸のこういったお話を書きたくて書きたくて仕方がないです。
まともに形になることはほとんど無いんですが。
ワンシーンだけ浮かんで一人妄想トリップして終わってます。(汗)
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