【 遙か混合 小噺 】 三者三様三白虎。２

創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で１～３、地×天です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
（BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが）

【　三者三様三白虎 ２　】


***鷹通編***

「西国より、珍しい酒が届いたのだが。今夜、月でも眺めながら一献どうだい？」
「あの・・・、私はお酒は苦手なのですが」
「心配は要らないよ。何も酔いつぶれさせようというわけではないのだから」
「さて、どうでしょうね」
「いつも回りを気にしての、まずい酒ばかりだろう？　たまには楽にして飲もうじゃないか」
「あなたのそばでは、楽になるものも楽になりません」
「そう言うけどね、ザルの君は酔いつぶれたりしないだろう？」
「枠のあなたの前では形無しです」
「言うねぇ、鷹通。で、どうするんだい？」
「ご相伴には、預かりますよ」
「ふふ、そう来なくてはね」


***幸鷹編***

「どういう風の吹き回しだ」
「何がかね、別当殿」
「お前から宴に誘われて、勘繰らない方がおかしいだろう」
「心外だねぇ。少しばかりの心遣いだというのに」
「何を企んでいる」
「さて、何だろうね。まぁ、一献どうだね」
「戴こうか」
「ふふ」
「・・・お前、何を混ぜた？」
「何のことかな」
「とぼけるなっ。混ぜ物の匂いがするぞ。私に一服盛ってどうするつもりだ！」
「いい鼻をお持ちだねぇ、別当殿。少し酔いを回して差し上げようと思っただけだよ」
「切り捨てるっ！」


***譲編***

「あの・・・、景時さん」
「ん？　どしたの、譲君」
「こういう席では、飲んだ方がいいのは解るんですが。俺のいた世界では、お酒は20歳以上じゃないと飲んではいけないことになっていて・・・」
「もしかして、飲んだことない？」
「いえ、そんなことはないんですけど。その・・・」
「あぁ、下戸なの？」
「はい」
「んー・・・。じゃ、ちょっと待ってて。こっそりこの辺のお銚子の中身、白湯に変えてくるからさ」
「あ、その。ありがとう、ございます」
「飲めないものを飲ませるのも悪いしね～。まぁ、酔っ払った譲君って言うのも、見てみたい気はするけど」
「勘弁してください」
「あはは」


***地白虎編***

翡「ここらで、決着をつけようじゃないか、友雅」
友「おや、私に勝つつもりかい？　海賊風情が」
景「二人とも～、せっかく楽しい席なんだから、喧嘩はやめようよ」
友「いや、白黒はっきりさせた方が、互いにすっきりするだろう」
翡「そうだねぇ。何だかんだと比べられるのは、いい加減うんざりしていたところだしね」
景「・・・」
翡「ついでだ、景時。君も参戦しなさい」
景「いや～、俺は・・・」
友「ここで引くのは、男が廃るというものだよ。さぁさぁ」


　・・・・・・・・・


幸「まったく、下らないことをやったものだ」
鷹「酷い有様ですね・・・」
譲「景時さん、大丈夫ですか？」
景「んー、まぁ・・・。俺ははじめのうちにダウンしたから」
幸「で、勝敗はついたのですか？　この様子からは考えたくもないが」
鷹「まさか、お二人だけでこの量を飲まれたのですか？」
景「3本目くらいまでは、俺も飲んでたけど・・・」
譲「ということは、残りは全部、この二人ってことですよね」
幸「はー・・・」


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