徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。 |
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で3、景時×譲(譲襲い受け?)で鎌倉編です。
全年齢対象だとは思いますが、多少大人向け表現を含みます・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で3、景時×譲(譲襲い受け?)で鎌倉編です。
全年齢対象だとは思いますが、多少大人向け表現を含みます・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
【 鳳仙花が開く刻 】
触れれば触れるほど、遠く感じてしまうのは何故?
夢を見る。
それが然も現実であるような、生々しい夢。
赤い、花の咲く夢。
その夢は、浜辺であったり、野原であったり。
出てくる人物も、先輩であったり、あの人であったり。
まったく違う内容であるのに、どちらもこれ以上ないほど不安になる夢。
その夢にあるのは、恐怖ではなく、大きな不安。
先輩との夢に不安を覚えるのは、当然のような気がする。
だけど、どうしてあの人との夢が不安なのか。
あの人は、夢の中であっても微笑っているのに。
あの、少し困ったような、彼特有の笑みで。
それなのに、どうしてこんなにも不安になるんだろう。
そしてどうして、夢の中の彼に、俺は近づくことが出来ないのだろう。
現実では、こんなにも近く、触れることだって出来るのに。
今だって、彼の吐息をすぐ近くで感じる。
体の温かさだって感じる。
それなのに、夢の中の彼は、そこにいるのにまったく存在感がなくて。
それがどうしようもなく不安になる。
さっきまで、お互いの距離をゼロ以下にしていたって言うのに。
眠るのが怖いと、彼は言った。
だから、俺は彼のそばにいる。
眠るとき、彼が恐怖に襲われないように、その手を握って。
恐怖に飲み込まれないように、彼を起こすために。
けれどそれは、俺自身も同じなんだと思う。
彼の手を握って、そのあたたかさに安心して。
その彼の存在の確かさを、そして自分の確かさを確認するように。
俺も彼も、生きている。
あたたかさを感じるし、感じさせる。
それでも拭えない不安があるように、お互いに抱き合う。
より、鼓動を近く感じるために。
生きていることを、感じるために。
少しでも、あなたの近くにいたいと思った。
誰よりも、あなたのそばにいたいと。
誰よりも、あなたの心のそばに。
だから。
「ごめ・・・、ごめん、ね。譲、くん、・・・ごめん」
「か、げと・・・、・・・ぁ、あ、あ、あっ」
「・・・ごめん・・・」
「ぅあ、あっ・・・」
謝らないでください、景時さん。
これは俺も望んだことです。
少しでも、あなたに近づきたいと望んだことなんです。
俺の傲慢さが、招いたことなんです。
だから、お願いです。
そんな悲しそうな顔で、謝らないで。
どんなに体を許しても、近づけないあなた。
どんなに心を許しても、近づいてくれないあなた。
「夢を見るんだ。赤い花が咲く、夢を」
「夢? ・・・譲殿は、星の一族。もしかしたら、何か意味があるのかもしれないわね」
あまりに同じ夢を繰り返し見てしまう言いようもない不安から、朔に相談を持ちかけた。
この異世界の京で、黒龍の巫女である彼女なら、何らかの答えをくれるのではないかと、そう思って。
彼女は俺の言葉に、少し首をかしげてから、思案するように俯いた。
「でも、まるきり意味が解らない」
「夢説きを、してみましょうか? 少しだけなら、私にも出来るから」
「でも、本当に。よくわからない夢なんだ」
「どんな感じなの?」
朔は俯いていた顔を上げ、まっすぐに俺を見ながら続きを促してくれた。
夢説きによってどんな答えが導き出されるか、俺には見当などつかなかったけれど。
それでも、たとえどんな答えが出ようとも、つかみ所もないこの不安から逃れられるのならばと、彼女に夢の内容を伝える。
「広い野原に。その、景時さんがいるんだ」
「兄上が?」
「・・・周りには赤い花がたくさん咲いていて。そこで笑っているだ」
「赤い花・・・?」
「少し棘のあるような・・・。あれは、アザミだったかな」
「薊の、野原? そこに、兄上が?」
「朔?」
「・・・あまり、意味は解らないけれど。薊の花言葉はいろいろあるけれど。触れないで、とか、安心、とか」
「花言葉?」
「えぇ。孤独の中にいる、そんな感じがするわ」
「・・・孤独」
「でも、野原なのよね? だったら安心に包まれたい、と言うことかしら?」
「包まれたい?」
「あぁ、でも兄上が見ている夢ではないから・・・。包みたい、かしら?」
「・・・そうかも、しれないな。あの人はああ見えて、結構無理しているところがあるから」
「譲殿」
「安心させてあげたいのかも、しれない」
「やさしいのね。兄上も、喜ぶわ」
やさしげに微笑む彼女に、俺は言葉を返せなかった。
確かに、景時さんに安らぎを与えたいと思う。
あの夢は、俺のそんな願望からの夢なんだろうか。
けれど、どうして彼は笑っているんだろう。
あんなに、困ったように、悲しそうに。
もっと近づけば、その意味は解るだろうか?
あなたの心に近づくことが出来れば。
けれど、あなたは、それを許してはくれないのでしょうね。
あなたは優しい人だから。
俺があなたの心に近づいて、引きずられてしまうのを、恐れている。
俺は、それを望んでいるのに。
あなたに近づきたい。
あなたの心を預けて欲しい。
そう思うのは、俺の独りよがりなんだろうか。
あなたに近づきたくて。
あなたに触れたくて。
だからきっと、あなたが断れないと解っていて。
俺はあなたに触れた。
それなのに、少しも縮まらない距離。
触れれば触れるほど、遠ざかっていくように感じる、景時さんとの距離。
『一人で眠るのが怖いなら、そばにいます。決して一人になんてさせない』
それは俺の心。
一人で眠るのは怖いから、そばにいて。一人にしないで。
『見る夢が苦痛なら、俺が起こしてあげますから』
見る夢が不安だから、夢から俺を連れ戻して。
夢と現の狭間、どちらにいるか不安になるから、俺に触れて。
今、目の前にいるあなたを確かに感じさせて。
夢の中、赤い花に囲まれて笑うあなたは、追いかけても追いかけても遠くて、近づけなくて。
「・・・景時さん」
「ん? どうかしたの?」
「いいえ、何でも、ないです」
互いに濡れた体で、乱れた着物の上で。
誰にも気づかれないように、荒くなる息さえ潜めて行う秘め事のあと。
半ば以上、放心に近いまどろみの中で、絡めた指だけがかすかに互いの血脈を感じさせる。
つい先ほどまで、もっと深いところで、はっきりと感じた熱なのに。
それなのに、離れてしまうとどうしてこんなにも頼りなく感じてしまうのだろう。
「そう? じゃぁ、明日も早いから、もう休もうか」
「・・・」
「譲君・・・?」
申し訳なさそうに笑って、俺の瞼を下ろすように彼の手が瞳にかぶさる。
それを心地よく感じながら、自然と瞼は下りて。
だけど、手が離れたとたん、言いようもない不安が心に広がって。
彼が、このままもう二度と、触れることが出来なくなってしまうのではないかと。
そんな実体のない恐怖に駆られた体は、頭で考えるよりも先に動いていた。
「っ譲君?!」
「景、時さん・・・。離れないで、ください」
彼に馬乗りになって。
武士にしては細い体を押さえつけて。
薄い皮膚の下、弾力を持って浮き上がる確かな筋肉をたどる。
指を滑らせ、腰骨をたどり下肢に触れる。
同性の、しかもこんな場所、触れることがあるなんて考えたこともなかった。
けれど、指に触れる髪よりも硬い繊毛にすら、彼のものであると考えると愛しさを覚える。
さらには不埒な熱さえも。
「ダメだよ、君の体の負担に・・・」
「そんなの関係ないです。もっと・・・」
腹に乗り上げているせいで、見えない彼の熱を、後ろ手に手探りで、撫で上げるように。
ひくり、と彼の体に小さな戦慄が走るのを、彼を挟んだ太ももに感じて背筋に甘い痺れが走る。
吐息を飲み込んだ、彼ののどが上下するのに、焦燥感を覚える。
「もっと、景時さんを感じさせてください。もっと近くに」
「譲く・・・っ」
「もっと近づいてください。もっと本当のあなたをさらけ出して・・・」
乱暴に追い上げて、無理やり押し込むように体の中に導いて。
半ば乾いていた体には、その擦り付けられる摩擦は痛みと知覚できないような熱に感じられて。
けれど、それは逆に確かなものに感じられて。
掠れた悲鳴のような嬌声が、のどの奥から漏れる。
「っぁ、ダメ、だよ・・・、譲くん。ダ、メだ、よ・・・」
「・・・は、ぁ。かげ・・・とき、さんっ。・・・っかげ・・・んっ、ぅ・・・」
狂ったように、彼を求めて。
俺を気遣っての言葉であると解っていながらも、拒絶の言葉が聞きたくなくて。
無理に体を曲げて、口唇を重ねて彼の声を飲み込む。
技巧も何もない、ただ塞ぐだけだった口付けと、挿入。
それが次第に露をまとって淫らな音を立て始める。
舌を絡められて、体が震えて、下腹の熱が跳ね上がる。
押さえつけていたはずの腕は、いつの間にか縋る形になって。
自由になっていた彼の手は、支えるようでいて、割り開くように俺の腰を掴んでいた。
「あっ、あぁっ・・・。・・・やっ、かげときさん・・・」
「君が、言ったんだからね。もっとって。壊れても、俺は・・・」
「あ、っは・・・。ん・・・、い、・・・です。壊れ、・・・ても。壊れるくらい、俺の中に・・・っ」
「譲・・・くん・・・」
立場は逆転して、抉られるように揺さぶられる。
いつも、気遣われて、瀬戸物でも扱うような彼とはまったく違って。
獣のように、貪られるように。
紗に遮られたような彼の本能が、風のはためきで垣間見えるような、そんな激しさで。
それなのに。
本能を垣間見せてくれたはずの彼が、余計に遠くに感じるのは、どうしてなんだろう。
END
***** あとがき。*****************************************
間が空きすぎて、どうしてこのタイトルにしてしまったのか解らなくなってしまった景×譲。(汗) 前作の『薊野』と内容的に繋がってますが、『薊野』読まなくても読めるとは思うんですが・・・。
薊野と関連付けた話だったはずだから、薊野での微妙だったところを解決に導くはずだったのに、何が微妙だったのかさえ当人が解らなくなってしまってて、結局微妙なエロのみのようなお話になってしまいました。何か意味があってこのタイトルにしたような気がするんですが・・・。
うーん、何かエラいユズちゃんが積極的な高校生になってしまいましたが、受動的な景時さんにはこれくらいリードしてくれる相手のほうがいいのかもしれませんね。リードされてる割には攻めですが。(笑)
うーん、表に18禁と表記してしまったのですが、別に表記しなくてもよかったですかね? でもヤっちゃってるから、やっぱり書いておいて正解なのかな? でも、ヌルい、よね・・・? ・・・うーん。(苦笑)
触れれば触れるほど、遠く感じてしまうのは何故?
夢を見る。
それが然も現実であるような、生々しい夢。
赤い、花の咲く夢。
その夢は、浜辺であったり、野原であったり。
出てくる人物も、先輩であったり、あの人であったり。
まったく違う内容であるのに、どちらもこれ以上ないほど不安になる夢。
その夢にあるのは、恐怖ではなく、大きな不安。
先輩との夢に不安を覚えるのは、当然のような気がする。
だけど、どうしてあの人との夢が不安なのか。
あの人は、夢の中であっても微笑っているのに。
あの、少し困ったような、彼特有の笑みで。
それなのに、どうしてこんなにも不安になるんだろう。
そしてどうして、夢の中の彼に、俺は近づくことが出来ないのだろう。
現実では、こんなにも近く、触れることだって出来るのに。
今だって、彼の吐息をすぐ近くで感じる。
体の温かさだって感じる。
それなのに、夢の中の彼は、そこにいるのにまったく存在感がなくて。
それがどうしようもなく不安になる。
さっきまで、お互いの距離をゼロ以下にしていたって言うのに。
眠るのが怖いと、彼は言った。
だから、俺は彼のそばにいる。
眠るとき、彼が恐怖に襲われないように、その手を握って。
恐怖に飲み込まれないように、彼を起こすために。
けれどそれは、俺自身も同じなんだと思う。
彼の手を握って、そのあたたかさに安心して。
その彼の存在の確かさを、そして自分の確かさを確認するように。
俺も彼も、生きている。
あたたかさを感じるし、感じさせる。
それでも拭えない不安があるように、お互いに抱き合う。
より、鼓動を近く感じるために。
生きていることを、感じるために。
少しでも、あなたの近くにいたいと思った。
誰よりも、あなたのそばにいたいと。
誰よりも、あなたの心のそばに。
だから。
「ごめ・・・、ごめん、ね。譲、くん、・・・ごめん」
「か、げと・・・、・・・ぁ、あ、あ、あっ」
「・・・ごめん・・・」
「ぅあ、あっ・・・」
謝らないでください、景時さん。
これは俺も望んだことです。
少しでも、あなたに近づきたいと望んだことなんです。
俺の傲慢さが、招いたことなんです。
だから、お願いです。
そんな悲しそうな顔で、謝らないで。
どんなに体を許しても、近づけないあなた。
どんなに心を許しても、近づいてくれないあなた。
「夢を見るんだ。赤い花が咲く、夢を」
「夢? ・・・譲殿は、星の一族。もしかしたら、何か意味があるのかもしれないわね」
あまりに同じ夢を繰り返し見てしまう言いようもない不安から、朔に相談を持ちかけた。
この異世界の京で、黒龍の巫女である彼女なら、何らかの答えをくれるのではないかと、そう思って。
彼女は俺の言葉に、少し首をかしげてから、思案するように俯いた。
「でも、まるきり意味が解らない」
「夢説きを、してみましょうか? 少しだけなら、私にも出来るから」
「でも、本当に。よくわからない夢なんだ」
「どんな感じなの?」
朔は俯いていた顔を上げ、まっすぐに俺を見ながら続きを促してくれた。
夢説きによってどんな答えが導き出されるか、俺には見当などつかなかったけれど。
それでも、たとえどんな答えが出ようとも、つかみ所もないこの不安から逃れられるのならばと、彼女に夢の内容を伝える。
「広い野原に。その、景時さんがいるんだ」
「兄上が?」
「・・・周りには赤い花がたくさん咲いていて。そこで笑っているだ」
「赤い花・・・?」
「少し棘のあるような・・・。あれは、アザミだったかな」
「薊の、野原? そこに、兄上が?」
「朔?」
「・・・あまり、意味は解らないけれど。薊の花言葉はいろいろあるけれど。触れないで、とか、安心、とか」
「花言葉?」
「えぇ。孤独の中にいる、そんな感じがするわ」
「・・・孤独」
「でも、野原なのよね? だったら安心に包まれたい、と言うことかしら?」
「包まれたい?」
「あぁ、でも兄上が見ている夢ではないから・・・。包みたい、かしら?」
「・・・そうかも、しれないな。あの人はああ見えて、結構無理しているところがあるから」
「譲殿」
「安心させてあげたいのかも、しれない」
「やさしいのね。兄上も、喜ぶわ」
やさしげに微笑む彼女に、俺は言葉を返せなかった。
確かに、景時さんに安らぎを与えたいと思う。
あの夢は、俺のそんな願望からの夢なんだろうか。
けれど、どうして彼は笑っているんだろう。
あんなに、困ったように、悲しそうに。
もっと近づけば、その意味は解るだろうか?
あなたの心に近づくことが出来れば。
けれど、あなたは、それを許してはくれないのでしょうね。
あなたは優しい人だから。
俺があなたの心に近づいて、引きずられてしまうのを、恐れている。
俺は、それを望んでいるのに。
あなたに近づきたい。
あなたの心を預けて欲しい。
そう思うのは、俺の独りよがりなんだろうか。
あなたに近づきたくて。
あなたに触れたくて。
だからきっと、あなたが断れないと解っていて。
俺はあなたに触れた。
それなのに、少しも縮まらない距離。
触れれば触れるほど、遠ざかっていくように感じる、景時さんとの距離。
『一人で眠るのが怖いなら、そばにいます。決して一人になんてさせない』
それは俺の心。
一人で眠るのは怖いから、そばにいて。一人にしないで。
『見る夢が苦痛なら、俺が起こしてあげますから』
見る夢が不安だから、夢から俺を連れ戻して。
夢と現の狭間、どちらにいるか不安になるから、俺に触れて。
今、目の前にいるあなたを確かに感じさせて。
夢の中、赤い花に囲まれて笑うあなたは、追いかけても追いかけても遠くて、近づけなくて。
「・・・景時さん」
「ん? どうかしたの?」
「いいえ、何でも、ないです」
互いに濡れた体で、乱れた着物の上で。
誰にも気づかれないように、荒くなる息さえ潜めて行う秘め事のあと。
半ば以上、放心に近いまどろみの中で、絡めた指だけがかすかに互いの血脈を感じさせる。
つい先ほどまで、もっと深いところで、はっきりと感じた熱なのに。
それなのに、離れてしまうとどうしてこんなにも頼りなく感じてしまうのだろう。
「そう? じゃぁ、明日も早いから、もう休もうか」
「・・・」
「譲君・・・?」
申し訳なさそうに笑って、俺の瞼を下ろすように彼の手が瞳にかぶさる。
それを心地よく感じながら、自然と瞼は下りて。
だけど、手が離れたとたん、言いようもない不安が心に広がって。
彼が、このままもう二度と、触れることが出来なくなってしまうのではないかと。
そんな実体のない恐怖に駆られた体は、頭で考えるよりも先に動いていた。
「っ譲君?!」
「景、時さん・・・。離れないで、ください」
彼に馬乗りになって。
武士にしては細い体を押さえつけて。
薄い皮膚の下、弾力を持って浮き上がる確かな筋肉をたどる。
指を滑らせ、腰骨をたどり下肢に触れる。
同性の、しかもこんな場所、触れることがあるなんて考えたこともなかった。
けれど、指に触れる髪よりも硬い繊毛にすら、彼のものであると考えると愛しさを覚える。
さらには不埒な熱さえも。
「ダメだよ、君の体の負担に・・・」
「そんなの関係ないです。もっと・・・」
腹に乗り上げているせいで、見えない彼の熱を、後ろ手に手探りで、撫で上げるように。
ひくり、と彼の体に小さな戦慄が走るのを、彼を挟んだ太ももに感じて背筋に甘い痺れが走る。
吐息を飲み込んだ、彼ののどが上下するのに、焦燥感を覚える。
「もっと、景時さんを感じさせてください。もっと近くに」
「譲く・・・っ」
「もっと近づいてください。もっと本当のあなたをさらけ出して・・・」
乱暴に追い上げて、無理やり押し込むように体の中に導いて。
半ば乾いていた体には、その擦り付けられる摩擦は痛みと知覚できないような熱に感じられて。
けれど、それは逆に確かなものに感じられて。
掠れた悲鳴のような嬌声が、のどの奥から漏れる。
「っぁ、ダメ、だよ・・・、譲くん。ダ、メだ、よ・・・」
「・・・は、ぁ。かげ・・・とき、さんっ。・・・っかげ・・・んっ、ぅ・・・」
狂ったように、彼を求めて。
俺を気遣っての言葉であると解っていながらも、拒絶の言葉が聞きたくなくて。
無理に体を曲げて、口唇を重ねて彼の声を飲み込む。
技巧も何もない、ただ塞ぐだけだった口付けと、挿入。
それが次第に露をまとって淫らな音を立て始める。
舌を絡められて、体が震えて、下腹の熱が跳ね上がる。
押さえつけていたはずの腕は、いつの間にか縋る形になって。
自由になっていた彼の手は、支えるようでいて、割り開くように俺の腰を掴んでいた。
「あっ、あぁっ・・・。・・・やっ、かげときさん・・・」
「君が、言ったんだからね。もっとって。壊れても、俺は・・・」
「あ、っは・・・。ん・・・、い、・・・です。壊れ、・・・ても。壊れるくらい、俺の中に・・・っ」
「譲・・・くん・・・」
立場は逆転して、抉られるように揺さぶられる。
いつも、気遣われて、瀬戸物でも扱うような彼とはまったく違って。
獣のように、貪られるように。
紗に遮られたような彼の本能が、風のはためきで垣間見えるような、そんな激しさで。
それなのに。
本能を垣間見せてくれたはずの彼が、余計に遠くに感じるのは、どうしてなんだろう。
END
***** あとがき。*****************************************
間が空きすぎて、どうしてこのタイトルにしてしまったのか解らなくなってしまった景×譲。(汗) 前作の『薊野』と内容的に繋がってますが、『薊野』読まなくても読めるとは思うんですが・・・。
薊野と関連付けた話だったはずだから、薊野での微妙だったところを解決に導くはずだったのに、何が微妙だったのかさえ当人が解らなくなってしまってて、結局微妙なエロのみのようなお話になってしまいました。何か意味があってこのタイトルにしたような気がするんですが・・・。
うーん、何かエラいユズちゃんが積極的な高校生になってしまいましたが、受動的な景時さんにはこれくらいリードしてくれる相手のほうがいいのかもしれませんね。リードされてる割には攻めですが。(笑)
うーん、表に18禁と表記してしまったのですが、別に表記しなくてもよかったですかね? でもヤっちゃってるから、やっぱり書いておいて正解なのかな? でも、ヌルい、よね・・・? ・・・うーん。(苦笑)
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