徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。 |
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で、友雅×鷹通で京編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
舞一夜、友鷹のお話です。
(遙か花街再録)
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で、友雅×鷹通で京編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
舞一夜、友鷹のお話です。
(遙か花街再録)
【お父さんとお母さん?】
晴れ渡った皐月の空。
朝陽を浴びて、庭の桜の淡い色合いも鮮やかに。
その枝では、雀達がせわしなく朝の挨拶を交わしている。
穏やかで心地よい朝の時間。
瞼にかかる陽のきらめきに、瞼を開けなければ、と思いつつも、イノリは再びまどろみの中に沈んでいく。
穏やかな朝の心地よさは、そんな不可思議な力を遺憾なくイノリに振るっていた。
日差しを遮るよう、腕を持ち上げ、寝返りを打つと、その肩を優しく揺する手がイノリにかかった。
「イノリ、起きてください。今日は御霊会ですよ」
「う・・・ん・・・。・・・もぅ、少し・・・」
優しげな声が、困ったようにもう一度、イノリの名を呼んだ。
だが、イノリはいやいやをするようにその腕から逃れるよう、再び寝返りを打った。
そういえば、遠い昔、母がそんな仕草で自分を起こしたことをぼんやりと夢現に考え、これは夢だろうかとも考える。
しかしそれも、半分夢の中にいるイノリには、深く考えることも出来ず、意識はまたまどろみへと沈もうとしていた。
「そんな起こし方では、起きるものも午睡を取ってしまうよ」
「・・・あ」
「っ痛ぇっ!」
がつん、と急に自分を襲った痛みに、イノリは跳ねるように飛び起きた。
もっとも、起きたのは意識だけで、実際には身体は廂までまろび出ていたのだが。
――友雅に蹴り飛ばされて。
「っ痛ぇな、何すんだよ!」
「ほら、すぐに起きただろう?」
イノリが吠え掛かるも、友雅はどこ吹く風、口元に扇を当て、咎めるように少し低い目線から見上げる鷹通に微笑んでいた。
鷹通はそんな友雅にため息をつき。
「起こすにしても、もう少しやりようがあるでしょう」
「駄々っ子には、これが一番なのだよ」
「誰が駄々っ子なんだよ」
一応の注意を促す鷹通だったが、やはり宮中の浮名の人物はさらりとそれを交わし、嫣然と微笑むばかりだった。
イノリの癇癪のような声も、まったく無視である。
鷹通はこれ以上、何を言ったところで堪えないだろうと友雅に見切りを付けて、イノリに向き直った。
「今日は御霊会ですから、早く支度をしてくださいね。我々はこれから神子殿を起こしに参りますから」
「二度寝をしてはいけないよ、イノリ」
「ガキじゃねえんだから、言われなくても解ってるよ」
「それはそれは」
「では、また後ほど」
友雅の言葉にまた噛み付きそうになりながら、しかし鷹通の言葉にそれを抑えて。
憮然と胡坐をかいて、衣擦れの音を響かせながら去っていく二人を眺めながら、イノリはぼんやりと思った。
「何か、父ちゃんと母ちゃんみてぇだよな、あの二人」
そう考えて、イノリははた、と我に返る。
あの二人が夫婦なんて、冗談にしても、あまり笑えない、と。
END
***** あとがき。*****************************************
ゲーム中の「二人に叩き起こされて」というイノリの言葉から、勝手に妄想して出来た代物です。
晴れ渡った皐月の空。
朝陽を浴びて、庭の桜の淡い色合いも鮮やかに。
その枝では、雀達がせわしなく朝の挨拶を交わしている。
穏やかで心地よい朝の時間。
瞼にかかる陽のきらめきに、瞼を開けなければ、と思いつつも、イノリは再びまどろみの中に沈んでいく。
穏やかな朝の心地よさは、そんな不可思議な力を遺憾なくイノリに振るっていた。
日差しを遮るよう、腕を持ち上げ、寝返りを打つと、その肩を優しく揺する手がイノリにかかった。
「イノリ、起きてください。今日は御霊会ですよ」
「う・・・ん・・・。・・・もぅ、少し・・・」
優しげな声が、困ったようにもう一度、イノリの名を呼んだ。
だが、イノリはいやいやをするようにその腕から逃れるよう、再び寝返りを打った。
そういえば、遠い昔、母がそんな仕草で自分を起こしたことをぼんやりと夢現に考え、これは夢だろうかとも考える。
しかしそれも、半分夢の中にいるイノリには、深く考えることも出来ず、意識はまたまどろみへと沈もうとしていた。
「そんな起こし方では、起きるものも午睡を取ってしまうよ」
「・・・あ」
「っ痛ぇっ!」
がつん、と急に自分を襲った痛みに、イノリは跳ねるように飛び起きた。
もっとも、起きたのは意識だけで、実際には身体は廂までまろび出ていたのだが。
――友雅に蹴り飛ばされて。
「っ痛ぇな、何すんだよ!」
「ほら、すぐに起きただろう?」
イノリが吠え掛かるも、友雅はどこ吹く風、口元に扇を当て、咎めるように少し低い目線から見上げる鷹通に微笑んでいた。
鷹通はそんな友雅にため息をつき。
「起こすにしても、もう少しやりようがあるでしょう」
「駄々っ子には、これが一番なのだよ」
「誰が駄々っ子なんだよ」
一応の注意を促す鷹通だったが、やはり宮中の浮名の人物はさらりとそれを交わし、嫣然と微笑むばかりだった。
イノリの癇癪のような声も、まったく無視である。
鷹通はこれ以上、何を言ったところで堪えないだろうと友雅に見切りを付けて、イノリに向き直った。
「今日は御霊会ですから、早く支度をしてくださいね。我々はこれから神子殿を起こしに参りますから」
「二度寝をしてはいけないよ、イノリ」
「ガキじゃねえんだから、言われなくても解ってるよ」
「それはそれは」
「では、また後ほど」
友雅の言葉にまた噛み付きそうになりながら、しかし鷹通の言葉にそれを抑えて。
憮然と胡坐をかいて、衣擦れの音を響かせながら去っていく二人を眺めながら、イノリはぼんやりと思った。
「何か、父ちゃんと母ちゃんみてぇだよな、あの二人」
そう考えて、イノリははた、と我に返る。
あの二人が夫婦なんて、冗談にしても、あまり笑えない、と。
END
***** あとがき。*****************************************
ゲーム中の「二人に叩き起こされて」というイノリの言葉から、勝手に妄想して出来た代物です。
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