忍者ブログ QLOOKアクセス解析
徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
漫画ページ
クリックすると別窓で漫画トップに飛びます。 PCにのみ対応しています。
ブログ内検索
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で現代編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

【 時間のない君だから 】


年が明けて2週間ほど。
休み気分の抜け切っていないものも、いい加減気合が入ってきたのか、社内にも以前のような活気が戻って来ていた。
活気というよりは、納期に追われて鬼気迫る、といった感じだが。
それでも、以前と比べ、女性社員が増え、イベントごとに敏感な彼女らがいるせいか、社内も華やいでいる。
つい先日も、休憩を利用しての鏡開きが行われたくらいに。
今日も、何だか彼女らが朝から忙しない空気をかもし出していて、いったい今日は何の日だったかと幸鷹は思考をめぐらせる。
数年間とはいえ、宮中に使えていた彼は、今では行われなくなった行事にも精通しているつもりではあったが、それでも今日が何の日であったか解らなかった。

「藤原さん」

「何でしょうか」

思い当たる節もなく、幸鷹が首をかしげていると、休憩時に彼女らから声がかかった。
何か解らないことでもなったのだろうかと向き直ると、大きな花束を向けられ、幸鷹はそのことに驚き、思わず花束を受け取ってしまった。
そうすると彼女らはにっこりと笑い、声をそろえた。

「お誕生日、おめでとうございます、藤原さん」

「・・・え?」

「ほら、やっぱり。ご自分の誕生日、忘れてたでしょう」

「あ、あぁ。誕生日・・・」

誕生日。
京では生まれた日を祝うという習慣がなかったせいで、幸鷹はすっかりそのことを失念していた。
さすがに、祝われて喜ばしいという年ではなかったが、こんな風に祝われるのは少し気恥ずかしくもあった。

「藤原さんってば、物事きっちりしてるのに、自分のことに関してだけはおざなりですよね」

「そうでしょうか?」

「そうですよ! はい、これ、私達からのプレゼントです」

「ありがとうございます」

まるで母親のように腰に手を当て、説明する彼女に幸鷹は苦笑を漏らす。
だが、そんな気遣いも何だかくすぐったいもので、幸鷹はプレゼントを受け取り、素直に礼を言った。
その後は、彼女らのささやかな祝いが知れ渡り、同じフロアのものもそうでないものまで、祝いの言葉や品を持ってやって来た。
きちんとしたものを用意していなくて、と缶コーヒーを持ってきたものまでいて、つい笑ってしまった。

仕事に追われ、休憩はさまざまな人物の来訪と、忙しなく時間が過ぎ、気がつけば終業時間となっていた。
冬の夕刻は、身にしみるような寒さを持って、早い夜をつれてくる。
同僚達は足早にコートを着込み、短い夕暮れの中、家路についていた。
幸鷹も食事に誘われたりもしたのだが、キリのいいところまで仕事を終わらせたいとそれを断り、同僚達を見送って再び、マシンの前に座った。
人がいなくなったフロアは、しんと静まり返り、幸鷹のキーをはじく音とマシンの排熱の音だけになった。
そうしていると、以前京で一人、検非違使の仕事をしていた時を思い出す。
あの時は、風の音と筆の音、今は排熱とキーという違いはあるけれど。
そういえばよく、こんな風に一人で仕事をしていると、音もなく自分に近づくものがあった。
その男は、こちらの事情などお構いなしに、自分の好きなように振舞ってよく幸鷹を困惑させたものだった。
ふとそのことを思い出し、幸鷹は一瞬、寒気にも似た感覚を思い出したが、すぐに首を振ってその思考を打ち払い、再び仕事に集中した。

どのくらい、そうしていたのか。
集中しだすと時間の感覚が麻痺する幸鷹は、隣の座席のきしむ音で我に返った。
モニタの時計を見れば、すでに23時を回っている。
こんな時間にいったい誰が、と視線を送ると、いるはずのない人物が、さも当然のようにそこに腰掛けていた。

「やぁ、ご機嫌は如何かな。可愛い人」

「な、何でお前がここに・・・」

「おや、つれないね。君が戻らないから、様子を見に来たのだよ」

当然のように幸鷹に微笑む彼に、内心、そうそう簡単に入れるようなセキュリティの建物ではないはずだとか、どうして勤務先を知っているのかとか、そういった疑問が浮かんだ幸鷹だったが、この男にどうしても何もない事を思い出し、追求するのをやめた。
この翡翠という男は、興味が惹かれ、その興味が薄れない限りどのような手段を用いてでも目的を遂げてしまうような男だし、聞いたところで、彼はそこに至るまでの道程を語るような男でもない。
むしろ煙に巻かれて、からかわれて終わるのがオチだ。
幸鷹は、ため息をついて、マシンに向き直った。

「ねぇ、幸鷹。今日は何の日だか解っている?」

「えぇ。私の誕生日でしょう? それがどうかしましたか」

「解っているのなら、どうして私の元へ帰ってきてくれないの?」

「仕事と私の誕生日、どちらが重いかなど秤にかけるべくもないでしょう」

「そうだね・・・。もちろん、君の誕生日だ」

「な・・・っ。うわぁっ!」

翡翠に視線を向けることなくキーを叩いていた幸鷹だったが、急に椅子を引かれ、悲鳴を上げた。
一瞬何が起こったのかわからない幸鷹をそのまま肩に担いで、翡翠はフロアをすたすたと出て行く。

「おいっ、何を考えているんだ。下ろせ」

「下ろしたら君は、また仕事に戻ってしまうだろう」

「当たり前だ、何を考えているんだ、お前は」

「もちろん、君の誕生日を祝うことだよ」

「そんなものは後からでも出来るでしょう!」

「・・・君は、さして親しくもない会社のものには祝いをさせるのに、私には君を祝わせてはくれないというのかい」

「・・・翡翠・・・」

翡翠の所業に声を荒げて暴れていた幸鷹だったが、その翡翠の一言に、押し黙った。
よくよく見てみれば、翡翠はふてくされたような、拗ねたような表情をしている。
翡翠の意外な一面に、不本意ながらも少し可愛いと思ってしまった幸鷹は、一つため息をついて翡翠に従うことにした。
もっとも、逆らったところで、それが叶う相手ではないというのもあるのだが。
中途半端に投げ出してしまう形になった仕事の埋め合わせを考えて、少し気持ちが重くなりながらも、幸鷹は翡翠の誕生祝に身を任せることにした。




幸鷹が目覚めると、日はとうに昇って中天で輝いていた。
重い身体が、仕事に行くことをためらわせる。
だが、無断欠勤はそれこそ良くないと、せめて欠勤の連絡だけでもとのろのろと身を起こした。
諸悪の根源は、すでにそばにはいないことに、苛立ちを覚えながら。

「もしもし、藤原ですが・・・。連絡が遅くなってすみません。本日は・・・。・・・え?」

欠勤の連絡を入れた幸鷹に、思いもよらない返事が返ってくる。
昨日投げ出した仕事はすでに完了している言う・・・。
そんなはずはないと思いながらも、まさかという思いも過ぎる。
そんな所業が出来そうな人物を、幸鷹は一人しか思いつかないからだった。
これは翡翠なりの侘びなのだろうかと、少し彼のことを見直した幸鷹だったが、それよりもはるかに思考の中を埋め尽くしたのは。
何者なんだ、あいつは、という思いだった。

END

***** あとがき。*****************************************

間に合ったのか、なぁ・・・?(汗)
かなり捻り出し系の幸ちゃんバースデー。<最近いつもですな
鷹通さんの時は何も出来なかったから・・・。
しかし、翡翠さん、後半にちょっとしか出てないし。
その上、何者ですかって感じですね。
最後の微妙な空白は朝チュン、ということで。(汗)

こんなんですが、お祝いの気持ちはあるのよ~。
幸鷹さん、永遠の23歳おめでとうv

拍手

PR
この記事にコメントする
               
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧
パスワード   
* パスワードを設定するとコメントの編集ができるようになります。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Copyright ©  -- 月下美人 - epiphyllum - oxpetalum - --  All Rights Reserved / Designed by CriCri / Material by White Board
忍者ブログ  /  [PR]