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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で現代編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

(遙か花街再録)

【 淋しがり屋な君だから 】


うっすらと差し込む光に自然と目を覚ます。
見れば、閉まり切っていなかったらしいカーテンから、まだ昇り始めてもいない太陽の光が、一筋差し込んでいた。
首をめぐらせ時計を見れば、まだ6時過ぎ。
冬の遅い日の出は時間の感覚を少し狂わせるが、それでもあと30分もすれば横で安らかに寝ている可愛い人も起き出す時間だ。
こちらの世界は不思議なもので、時計というものがあるせいか、日の出とともに始まり、日暮れとともに終わる時間に慣れている私には、はじめは苦労したものだ。
まぁ、もともとそんなに規則正しい生活をしていたわけではないけれど。
よく考えてみれば、時計、というもので時間を区切っているこちらの生活の方が本来は正しいのかもしれない。
京にいたころは、日の高さや傾きで時間を計っていたのだから、季節のよって時刻は変動する。
つまりは季節によって一刻の長さが違ったりもしたのだから、そう考えれば、常に一定の時間、というのは安定しているようにも感じる。
だからといって、こちらに来て、時間が安定したから規則正しい生活をしている、というわけでは、もちろんないけれど。
まぁ、時間が安定していて、しかも目覚まし時計という何とも便利なものもあるから、私の可愛い人はそのベルが彼を起こすまで、ひたすら睡眠に耽る。
もともと、彼は一度寝たら、よほどのことがない限り定刻まで起きない性格のようで、今も私の身じろぎに起きることもなく、ただ幸せそうに眠っている。
その幸せそうな寝顔を見ていると、何だかこちらまで幸せな気分になってくるから不思議なものだ。
その幸せそうな寝顔を、じっくり10分は眺めてから、彼が起きた時用にコーヒーを入れようとそっと身を起こすと、不意に引っ張られるような感覚に、私はそばで眠る可愛い人を見つめた。
そこには、いじらしくも私の夜着を握る白い繊手。
顔を覗き込んでも、まったく意識はなく、まるで幼子が不安の末にする拙い仕草のようで、何だか微笑ましくなった。

「そんなことをしなくても、私は逃げたりなどしないよ。すでに私は君に捕らえられているのだから・・・」

こっそりと呟き、瞼に口唇を触れさせたなら、その長い睫毛が小さく震えて、小さな悪戯心が芽生える。
だが、朝から可愛い人の雷はさすがに貰いたくないと、その心はまたの機会に取っておくことにした。



目覚ましのベルが定刻を告げ、その音はものの数秒もしないうちに止まった。
太陽はすでに山の端からいくらか上って、あたりには明るい日差しが差し込んでいる。
いつもならば、すぐにでも寝室から出てくる可愛い人は、今日はなかなか出てこない。
先程、小さな声も聞こえたから、きっと今は私の前に出るために心を落ち着けているのだろう。
そんなところも、まったく可愛いのだがね。

「・・・お早う、翡翠」

「お早う、可愛い人」

果たして、微妙にぎこちない挨拶で幸鷹は寝室から出てきた。
少し俯いているのは、きっと未だ動揺から完全に立ち直っていないからだろう。
その恥じらいに、笑みがこぼれそうになったが、そこはあえて無視をして。
いつもどおりコーヒーを振舞ったなら、ほっとしたようにそれを受け取って。
私が何事もなかったように振舞っていることに、幸鷹も落ち着いたようで。
そうして、今日の朝はいつもと何一つ変わりなく過ぎていった。
7時半に幸鷹を送り出して、家の雑用を済ましたならば、私は朝から決めていた行動を決行する。

「さて、どんなものがいいだろうね・・・」

道すがら、ぼんやりと思考をめぐらせる。
どうせならば、うんと可愛いものがいい、そんなことを考えながら。



その晩、幸鷹は自分の寝室に転がる物体について、一言だけ漏らした。

「・・・何だ、これは」

そこに転がるは、約1メートルほどの白いウサギ。
いわゆる、抱き枕、というものだ。

「君は少し、天邪鬼な寂しがり屋のようだからね。一人寝もこれがあれば平気だろう?」

「ふざけるな。私は・・・」

「人の夜着を握って離さないのに?」

「・・・!!!」

強がっている幸鷹に少し意地悪を。
今朝、我慢していた分を発散させるように言ったならば。
絶句して、真っ赤になっている姿が可愛らしい。

「今日一日、私が抱いていたから、しっかり匂いもついてるよ」

「ケモノか、貴様は!」

冗談めかしてそういうと、むしろ幸鷹のほうが猫のように毛を逆立てた。
実際に、今日一日抱いていたのは本当だけれど。
幸鷹のために、と色々と物色していっていたらなかなかにいいものがあって、自分でも何気に気に入ってしまったから。
手触りのいいタオル生地で、ふにふにと押しては返る感触が心地よくて、ついつい弄っている内に抱いて寝てしまったのだから。
この枕を抱いて寝る幸鷹というのも、想像するだけで可愛いような気もしたし。
さて、恥らっている幸鷹も可愛いから、もう一押ししてみようかな?

「お望みならば、今すぐに獣になって差し上げるが、如何かな?」

「なっ・・・! こ、この節操なしが!!!」

本当にこれは冗談だったのだけれど、幸鷹は本気で怒ってしまったらしい。
ちょっとやりすぎたようだ。
まぁ、幸鷹がまんざらでもなかったならば、行動を起こしていただろうけど、今回はそうではなかったようで。
思い切り、顔を真っ赤にして、寝室にこもってしまった。
ご丁寧に施錠までしてくれた。
さて、どうやって、岩戸の女神の機嫌を直したものかな・・・。

(余談だが、翡翠がそんなことを考えている時、幸鷹は抱きウサギを抱えて恥ずかしさのあまりベッドで蹲っていた)


END

***** あとがき。*****************************************

何となく思いついた翡幸です。
何かどっかで読んだような気もしないでもない、ありがちなお話ですね・・・。(汗)
幸鷹さんはウサギを抱っこして、ホントに翡翠の匂いがするとかって、きっと驚いているのでしょう。
・・・長くってすみません。

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