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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で4、風早×柊です。

全年齢対象だとは思いますが、(本人的に)結構大人向け表現を含みます。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

【 徒花 】

 

二人の間に今は確かにあるはずのこの曖昧な思いは、どこから来てどこへ行くんだろう。

 

俺にはどうしても言えない秘密がいくつかある。
ひとつは俺の正体。
これは、俺が千尋のそばにいるためには絶対に明かしてはならない秘密。
この秘密に関しては、細かく言えばいろいろ秘密にしなければならない事柄は増えてくるのだけど。
そしてもうひとつは、柊との関係。
どういう周期があるのか、時に柊は俺の元にやってくる。
人間には、つまりそういう時期が周期的にやってくるらしいのだけど、俺にはイマイチよく解らない。
女性のように月のもの、というわけではないらしいのだけれど。
長い年月の間に俺も大分人間に近づいたけれど、まだ人間になりきれていないから解らないのかもしれないが。
まぁ、俺の事情はどうでもいいのだけど。
柊は俺が一人でいるとき、みなで談話している合間、それとなく誘いをかけてくる。
それこそ、はじめのころは気付かなくて、柊に詰られたりもしたものだけれど、何度となく経験していくうちにそれが解るようになって来た。
柊も、どこでそんな事を憶えてきたのか解らないけれど、誰にも気付かれないようにとてもたくみに送ってくるのだ、秋波と言うものを。

 

天鳥船は、もともとそこにあった岩肌を削って作ったのか、それとも何者かが石を削って組み立てたのか解らないが、石で出来た厚く丈夫な壁で各部屋が隔てられていて、中の音が外に漏れるということがほとんどない。
そのせいか、柊は声を押さえるということをほとんどしない。
むしろ誘うように煽るように声をあげることが多い。
今日も柊は、部屋に入るなり俺に馬乗りになって、身体を揺らめかせながらあまやかな声を上げていた。
まるで猫のように背を撓らせ、直上から俺を楽しげに見下ろしている。
ゆらゆらと、その身の揺らめきに合わせて色素の薄い髪が俺の腹の上で滑るのがくすぐったい。
世界を別つ前、短かった髪が、こんなに長くなるまで俺たちは別の世界で暮らしていた。
その間に柊に何があったのか、俺には知りようもない。
何度となく時空を繰り返しても、俺は己がその場にいなかった間のことを知る術はない。
いつだって薄く笑っていた柊が、黒龍との戦いの後から瞳に宿した暗い影が、さらに色濃くなるまでの出来事を知る術は。
熱に潤んだ蒼い瞳に見下ろされながら他所事を考えていれば、不意に胸に爪を立てられた。
まるで抉るように、引っかかれた傷は、じわりと血を滲ませる蚯蚓腫れとなって肌に浮かぶ。

「・・・酷いな、痛いじゃないですか」

「どちらが。こんな時に、考え事など」

どうやら、気を逸らしていたのが気に入らないらしい。
そうは言っても、俺自身はこの行為に没頭するということがないから、どうにも色んな事を考えてしまうのだけれども。
はじめのころは、本当にいろいろなことが解らなくて、自分の身の変化にすら困惑した。
困惑しながらも、そういうものなのだろうと理解もした。
そのうち、柊の様子を伺うようになった。
その声が、その顔が、その身体の反応が気持ちよくなっているのかそうでないのか。
それから、どうしてこんなことをするようになったのか、考えるようにもなった。
こればっかりは、未だに答えが出ないのだけれども。
ただ少しだけ、何かを求めているのだろうなとは感じ取れるようになっていた。

「あなたの事を考えていたんだけどな」

「ほう。人の上に立つ者はずいぶんと口上が達者になられたようだ」

「・・・どういう意味かな?」

「さて。・・・そんな瑣末な事はどうでもいいでしょう? さぁ、君も」

時に柊は、危うげな言葉を発する。
それは、彼が既定伝承を読み解く知識を持っているからか、星の一族の力ゆえなのか。
己だけは謀る事は出来ない、己は知っているのだとでも言うような言葉を、それと言及するのではなく匂わすように柊は俺に言う時がある。
そして俺は、柊の言いたいことは解っていても返事など出来るはずもないから何のことだか解らないというようにとぼけてみせる。
こうして、踏み込むことを許さないというように牽制するような言葉を発しながら、身体だけはゼロ以下の距離に踏み込むなんて、とてもおかしなことだとは思うけれど。
柊は俺の答えに満足でも不満でもない、感情のこもらない瞳を一度閉じて、流れ落ちた長い髪をゆるりとかき上げた。
そしてまるで縫い止めるかのように重ねていた俺の手を掬い上げ、己の腰へと導く。
これはそれまでは俺に動くことを許さないとでもように動く柊の、許しの合図。
汗でしっとりと湿った肌は、決して柔らかく指を受け止めるわけではない男の肌だけれど、どこか危うげな色香を漂わせている。
柊は綺麗だと思う。
だけれど、その身体の稜線は紛れもなく男で、決して女性的ではないのに。
それでも煽られた人の身は、蜜を求める蝶のように柊という花に誘われ、腰骨の堅い部分を支えに彼の腰を引き寄せ、柊を引き倒す。
汗で湿った髪がいくつかの束になって広がるのが何ともいやらしい。
体制を変えて、やや離れてしまった身体をもう一度繋ぐように押し込めば、濡れた声が柊から漏れ、そして耐えるようにその声は半ばで途切れる。

「ひ、ぁ、 あぁっ! ・・・ん、・・・っ・・・、ッ・・・!」

「・・・柊」

いつだってそうだ。
柊は自分が動いている時は、見せ付けるように聞こえよがしに声を上げるのに、こうして立場が入れ替わると声を抑えてしまう。
何がそうさせているのかは解らないけれど、そうされると余計に声を上げさせたくなってしまうのはどうしてなんだろう。
うねる中をそれ以上にかき混ぜるように揺らしながら、緩んだ涙腺からあふれる雫を追う。

「・・・っく、は・・・」

そうしてたどり着いた耳たぶに、吹き込むように名を呼べば、ひくりと引きつったように肩が揺れる。
逃げるように柊は顔を背けるけれど、繋がってる状態で逃げられる距離なんて知れてるもので、反らした身体につられるように擦られて逆に煽られる。
それは人の身ゆえなのか、それとも俺が俺で柊が柊だからなのか。

「柊。・・・柊」

「・・・か、ざはや・・・」

求めるように俺の元を訪れながら拒絶するように堅く瞳を閉ざす柊に言い聞かせるように彼の名を呼ぶ。
誰がその身に触れているのか、乱しているのか、柊自身に、そして俺自身に確かめさせるように。
二人の間に今は確かにあるはずのこの熱は、どこから来てどこへ行くんだろう。
どこにも行き着けず、蜜のように零れて徒のように散り行くだけなんだろうか。

 

いつの時空だって、柊は俺に誘いをかけてくる。
何が目的かはまだ解らない。
だけれど、いつだって、己は全て知っているのだ、という姿勢を崩さない。
そして、そうでありながら、決定打は何も与えず、むしろ自らはぐらかしてさえいる。
求めながらに、拒絶するその思いは、何から生まれ出でるのだろう。
いつまで続くか解らないこの螺旋の中、俺は龍神がもたらす終焉の前に、彼の思いを知ることが出来るのだろうか。

 

――終――

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えーと、大好きだった風柊サイトさまが閉鎖された寂しさゆえに突発で書いてみました。
なので内容がないです、まさに、ヤマなしオチなし意味なし。(汗)

頑張ろう、風柊普及。かざらぎイイですよー、美味しいですよー、かざらぎかざらぎ。
(とりあえず主張だけしてみる)
 

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