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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で、友雅×鷹通で京編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
【 膝枕 】


「・・・よし。お待たせしてすみません」

「・・・」

ようやく仕事が一段落して、声をかけながら後ろを振り返れば。
いつもならば、からかいを織り交ぜた声が返ってくるはずであったが。
今日は珍しくしん、と静まり返っていた。
見れば、ふらりと何の先触れも無く現れた彼は、柱に凭れて眠っていた。
そういえば、昨夜は宿直だったと、内裏の女房が喜んでいたような。

「疲れておいでなのですね」

誰ともなしに呟き、そっと顔色を伺うように、近くに膝を付けば。
けぶるように長い睫毛と、髪が影を作って。
けれど眠るその顔は、無防備なもので。
見惚れながらも、その無防備さは自分に心を許しているからだと思うと
なにやら、じんわりとあたたかさを心に広げた。

「・・・ん・・・」

むずがる子供のように、少し声を漏らしたかと思うと、その体が傾いで。
咄嗟の事に、動けずにいる私の膝に彼が落ちてきた。
その衝撃で起きるかと思えば、そのまま何事も無かったかのように。
眠り易い体勢を求めて、しばらくもぞもぞと動いた後、また眠りに戻ってしまった。
そのことに、呆れながらも、それほどまでに疲れていたのならば、
起こすのは忍びないと思っていしまう。
幸い、仕事は一段落付いている。
今日はそれほど日差しも強くないし、庇で寝ても体調を崩すことはあるまい。
ぼんやりとそんなことを考えながら、膝で眠る彼を見る。
安らかに眠る彼を見て、一回りも年の離れた人にこんな言葉は可笑しいかも知れないがとは思ったが。

「・・・眠っていれば、可愛いらしい人だな・・・」

そんな呟きが、こっそりと唇からすべりでた。
誰も聞くことが無いそれは、するりと空に吸い込まれて。
穏やかな時間が流れた。





夕刻、というには少し早い時間。
すのこを渡る足音に、私は咄嗟に顔を上げた。

「あれ、友雅さんもここにいたの?」

「神子殿! 助けてください」

「へ?」

「友雅殿を退かして下さい。あ、足が・・・」

「もしかして痺れちゃって動けないんですか?」

「・・・はい」

訴えられて、どうしたものかとうろたえる神子殿と、私。
それを狸寝入りしてほくそ笑む、友雅殿を私は知らなかった。



END

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