徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。 |
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で京編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
(遙か花街再録)
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で京編です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
(遙か花街再録)
【 太陽の雫 】
「私は欲しいと思ったものは手に入れて来たし、手に入らないと解れば簡単に諦める事だって出来るのだよ」
不意に発された言葉に、訝しさを覚え声の主を見遣れば、その主は遠くどことも知れぬ彼方を眺めていた。
太陽は中天で、晩秋にしては些か強すぎる光りを燦然と降り注ぎ、眼前に広がる川面を美しく輝かせている。
五行が狂い、季節が停滞した京は、空と川と色とりどりの紅葉に彩られ、それは美しい様相をていしている。
霜月としては常では有り得ない景色ではあるが、やがて巡ってくるであろう厳しい冬を思えば、人々がこの時が続けば良いと思いを馳せてしまうのも解らないでもない。
それほどに、眼前に広がる景色は穏やかで目に麗しい。
しかし、輝石と野鳥の名を持つ男はその曖昧な名と同様に現を見てはいないような瞳をしている。
まるで、地に足が着いていないとでも言うべきか。
そのまま、景色に溶けて消えてしまいそうな、そんな危うさに幸鷹は我知らずその袖を掴んでいた。
「別当殿?」
ゆるりと、名前と同じ瞳が幸鷹に向けられる。
深い海のような翡翠色の瞳。
それが幸鷹を捉える。
そうしてようやく、幸鷹はここが現実なのだと実感する。
翡翠のあまりに浮世離れした様相に、まるで己の方が薄衣の膜を隔てて世界を見ているような、常から己に纏わり付くこの京と己との異質感が浮き彫りになったような錯覚を覚えて、幸鷹は無意識に翡翠の袖を掴んでいた。
翡翠の呼びかけに幸鷹は反射的に指を解こうとしたが、その手は逆に翡翠に絡めとられた。
「別当殿。私は欲しいと思ったものは手に入れて来たし、手に入らないと解れば簡単に諦める事だって出来たのだよ」
翡翠は再び同じ言葉を紡ぐ。
幸鷹の指に己の指を絡め、幸鷹の瞳を覗き込みながら。
「なのに、どうしてだろうね。君の事は手に入らないと感じてしまう。力付くで奪う事だって出来るはずなのに、手に入れられはしないと感じるのだよ。なのに諦める事も出来ない。私は欲しいと思ったものは手に入れて来たし、手に入らないと解れば簡単に諦める事だって出来たはずなのに」
翡翠は三度同じ言葉を紡ぎ、その言葉に幸鷹の瞳からはらりと涙が零れ落ちた。
翡翠の言葉には、何ら他意はなく己の感じたままを音にしたのではあるが、その言葉に幸鷹は己の存在を否定されたように感じたのだ。
はらはらと、零れる涙を拭うこともせず、幸鷹は翡翠を見つめる。
まるで、そうでもしていないと儚く消えてしまうとでも言わんばかりに、ただ翡翠の海色の瞳を。
そして翡翠もただその瞳を見つめ返し、四度同じ言葉を繰り返した。
「…私は欲しいと思ったものは手に入れて来たし、手に入らないと解れば簡単に諦める事だって出来たのにね…」
絡めた指に力を込めて、翡翠は幸鷹を抱き取った。
まるで、天人を空に帰さぬとせんが如く。
-終-
何となく、久々に翡幸で小咄です。
携帯でプチプチ打った一発書きです。
何が書きたかったのか、自分でもよく解らないことに…。(汗)
たしかテーマは「狐の嫁入り」だった気がするんですが、何がどうなってこうなったのか。
幸鷹さん、一言もしゃべってねぇ…。(汗)
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