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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹で現代編ギャグです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

(遙か花街より再録)


【 ご挨拶 】



ぞわり。

藤原幸鷹はその朝、えもいわれぬ寒気に襲われ、我知らず自分の身体を抱いていた。
それは、晴れ渡った気持ちのよい天気の早朝。
小鳥がさえずり、平和ここに極まれり、といった休日の朝のことであった。
その日は、日々忙しく研究に勤しむ藤原一家が、奇しくも全員家にいる日であった。



ぴんぽーん。



日々忙しくしている藤原家。
たまの休みといえど、何をしていいか思いつくものもおらず、とりあえず全員がリビングで本を読んだり談笑していたりしていた。
そろそろお茶でも飲むかという時、それは唐突にやってきた。

「やぁ」

「・・・」

ドアベルの音に、たまたま入り口に近かった幸鷹が、玄関を開くと、そこには幻覚だと思いたい人物がたっていた。

にこにこ、にやにや。

さも上機嫌という顔を見た途端、幸鷹は一瞬にして機嫌を氷点下まで下げて、何も見なかった事にして、扉を閉じようとした。

ガツン!

・・・しかし、それは扉と敷居の間に挟まれた翡翠の足によって阻まれた。
運悪く、相手の靴は硬い素材の皮。
やわらかい素材であったなら、足ごと閉め潰してやれたものをと、幸鷹があからさまに舌打ちしたにもかかわらず、やはり翡翠は上機嫌のままだった。

「ふふ、相変わらず可愛らしい反応をするね、別当殿」

「今は別当ではありません。湧いた頭ごとさっさと持ち帰らなければ、この足、今すぐすり潰しますよ」

「あはははは、痛いねぇ。そんなこと言わずに、うちに上げてはくれまいか? せっかく、家族も揃っているのだろう?」

「だ・か・ら・です。せっかくの団欒、ぶち壊すつもりですか」

「幸ちゃん? お客様なの?」

剣突くいがみ合う二人に、おっとりとしたやわらかい声がリビングからかけられた。
客などではない、と激しく否定するつもりだった幸鷹だったが、それは翡翠によって阻止された。
翡翠は、幸鷹が声に驚き、扉を押さえる力が一瞬弱まったのを機に、強引に扉をこじ開け、幸鷹の口を塞いだのだった。
ぱたぱたと軽い足音とともに、玄関までやってきた母に、幸鷹は頭の中が真っ白になった。
思考が停止した幸鷹を置き去りに、翡翠と幸鷹の母は会話を展開させていく。

「どうも、急な訪問すみません。幸鷹君とは以前からお付き合いさせてもらっている者ですが、お邪魔してもよろしいですか?」

「あら、幸ちゃんのお友達? じゃぁ、そんなところで話してないで、上がっていらして」

「・・・だそうだよ」

「・・・!」

翡翠と母の会話が成立したところで、幸鷹は正気を取り戻したのだが、時すでに遅し。
翡翠は藤原家の敷居をまたぐことと相成った。



「(母)幸ちゃんがお友達を招くなんて珍しいわよねぇ」

「そうなんですか」

「(姉)ホント、初めてなんじゃない? それにしてもいい男ね」

「お褒めに預かり光栄です、幸鷹の姉君」

「(兄)幸とはいつからの付き合いなんだ?」

「そうですね、付き合い自体は7年ほどになりますか」

「(父)ずいぶんタイプの違う友人だな。どいいう繋がりだ?」

「例えるなら、追う者と追われる者でしょうか。人の縁とは不思議なもので、出会うべくして出会ったという感じでしょうか」

「(幸)・・・(怒)」

それぞれ、好き勝手なことを言う家族に、幸鷹は沈黙により怒りを表してみたのだが、それは暖簾に腕押し、立て板に水。
あまりの翡翠のもの珍しさに、家族には総無視されてしまった。
翡翠は家族の不躾な視線にも、終始笑顔で対応していた。
普段の翡翠ならば、一言でも神経に触れるような発言があれば席を外すはずなのに、今日はそれがなかった。
そのことに、幸鷹は妙な悪寒を覚えた。
ぞわり、と朝感じた悪寒よりもよりいっそう激しい悪寒に襲われたのはそのときだった。
家族の質問攻めが一段落して、ぽっかりと一拍間が開いた時、その一言は落とされたのだった。

「実は皆さんに、私から折り入ってお願いがありましてね」

「あら、何かしら?」

翡翠を気に入ったのか、母親がにこにこと相槌を打った。
今までの穏やかな表情から一変、至極まじめな視線になった翡翠に、他の家族も視線を集中させる。

「皆さん、幸鷹を私に下さい」

「「「「・・・は・・・?」」」」

真剣な眼差しに力をこめて告げられた言葉に、家族は全員目を丸くした。
目の前の青年は、一体何を言っているのだ、とでも言いたげな視線だ。
いち早く、現実に引き戻ったのは幸鷹だった。
あまりのばかげた言葉に、全身全霊で怒号を響き渡らせた。

「・・・っ! ばか者が! 結婚の報告でも、その言い方は父親の抵抗を招き易い言葉なんだぞ! 言葉を選べ!」

「・・・言葉を選んだらいいのかい?」

「いや、違う。そういう問題じゃない。い、いきなり何を言い出すんだお前はっ」

「いや、ずっと言いに行こうと思っていたのだよ。こちらではそれが作法だと神子殿に聞いてね」

「神子殿・・・」

「でも君ったらいつも仕事で家に居ないし。家族もなかなか家に揃わないからずっと機会がなくてねぇ」

「ふざけるな、機会云々の話ではないだろう!」

「いやいや、ここは筋を通さないと。君が思うより、私は君とのことを真剣に考えているのだよ?」

「・・・ぅ。・・・しかし、だからといって・・・」

「今日は、天気もいいし、家族も揃っている。絶好の報告日和じゃないか」

「何が絶好の報告日和だ! せめて来るなら来ると、前もって連絡くらい」

「連絡なんか入れたら、君は断固阻止しに来るだろう」

「あ、当たり前だ! そもそも、お前にこのうちの敷居を跨がせたのだって不本意だ」

「ほらほら、そんなに怒ってばかりでは、可愛い顔が台無しだよ?」

「やかましい、誰のせいだ!」

「うーん、私かな? ではやはり責任を取らないとねぇ」

「いらん。大体お前はいつもいつも・・・」



・・・・・・・・延々。


家族が全員、正気を取り戻した時には、犬も食わない何とかが激しく応酬されていた。
それこそ、口を挟む暇もない勢いで。

「(母)あらあら、仲がいいわねぇ」

「(兄)いや、仲がいいって言うのかアレ」

「(姉)喧嘩するほどってよく言うじゃない」

「(父)あの言葉はいったいどういう意味だったんだ・・・?」

「(母)そのままの意味じゃないの?」

「(父)・・・・・・・・(汗)」

そんなこんなで、翡翠さんの家族へのご挨拶は、見事失敗に終わったのでした。
(ある意味成功っちゃ成功?)


                ***終わる(ちゃんちゃん)***

******************************************************

・・・テレビで〇ウルを見たあとに、〇クシィの紙面紹介番組を見て思いついたアホ話です。
何か、また前置きが妙に長くなってしまった。
そして喧嘩シーンも長くなってしまった・・・。(汗)
もうちょっとまとめて文章が書けないものか、はぁ~。

とりあえず、外向き仕様なので、前半翡翠さんのしゃべり方がおかしくて、自分でも何だか変な気分でした。
後半のほうが、書きやすいし、ノリノリで書きました。
やっぱりこの二人は、喧嘩してる時が一番生き生きしてると思います、何となく。(笑)


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