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徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。
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創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹でパラレルです。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

童話パラレルな感じの翡幸のお話です。
眠れる森の美女というかいばら姫。<これは同義なんでしょうか?
ちなみに、翡翠さん=眠り姫、幸鷹さん=口付けを送る王子、です。
配役は間違ってません、・・・きっと。(汗)

(遙か花街再録)
【眠れる森の美女】


むかしむかし、ある国に好色な王様がおりました。
まぁ、時代背景的に一夫多妻は常なこのお国柄、時代でしたから、奥様がたくさんいるのは当たり前だったりするんですが。
その王様には、正妃と側室がいて、それぞれに子供がいました。
正妃との間には男の子、側室との間にはその男の子より半月ほど姉に当たる女の子が。
実はその側室の女の子は、男の子だったりするんですが、側室の奥様は正妃とも仲がよく、いらぬ諍いが起こらぬようにと自分の生んだ子供を女の子と偽ったのでした。
ほら、王室ってやつは政権争いで、当人の意思なんか関係なしに、周りが囃し立てたりするから。
そういったものから、忌避するように子供の性別を偽ったのです。
まぁ、ぶっちゃけ面倒ごとが嫌だっただけでしょうけど。
面倒くさがりな側室さんだったんです、もちろんその気質は子供にもばっちり受け継がれちゃいましたけど、それはまぁ、置いといて。
いくらなんでも男の子が性別偽ってばれないはずないだろう、と思いますけど、その側室の男の子は、少し目じりの下がった甘い顔。
さらさらのストレートヘアが魅力の、超絶美少年だったので、女の子だと言い張っても脱がなきゃばれなかったんです。
女装って言うものは、身体のラインさえ隠せば結構ばれないものなんですよ?
肩とか、のどの辺りとか、手首とか、そういう特徴のある辺りを隠せばなんてことないんです。
まぁ、そうやって騙し騙しやってきた王女(?)さまですが、やはり世間を偽って生活するにはかなりストレスが溜まるものです。
まんざらでもなく、結構楽しみながらやってたとしても、やっぱり溜まるものってものはあるんです、男の子だから。
そんなわけで、王女(?)さまはストレス発散にちょくちょく城外にお忍びに出ては、イケナイ火遊びをたくさんして回っちゃってたみたいで。
その日も、いつものごとくちょっとした火遊びのつもりで、いつの間にか設えたのかかっぱらったのか、それ専用の森のはずれの小さなお城に、どっかから引っ掛けてきたお嬢さんと懇ろになりかけてたんだけど。
うっかり、どこかから飛んできた吹き矢に射抜かれて、深い眠りに落ちてしまったのでした。
どうも、それを吹いたのは代表者だったようで、いろんな人の怨念というか執念というか嫉妬というか、ホント色んなものがない交ぜになった吹き矢で。
その上、それはどっかの悪い魔法使いが調合した眠り薬が塗ってあって、王女(?)さまは深い目覚めることのない眠りに落ちたのでした。
怨念や執念や嫉妬が混ぜられた吹き矢の薬の効力を打ち砕くのは、それとは正反対の愛の力。
そう、王女(?)さまの眠りを解くのは愛情たっぷりの口付けだけなのです。
でも、色んなところで火遊びしていた王女(?)さまに真実の愛の口づけをする人はなかなか現れず、王女(?)さまの眠る小さなお城は忘れ去られるように深いいばらに覆われ、長い間、誰も訪れることはないのでした。



時間は変わって、王女(?)さまが眠りについて100年後。
とても穏やかな国に、一人の王子さまがいました。
王様も王妃様もとてもいい人で、王国中がとても穏やかに暮らしていました。
そんな中、王子様はもう王妃を迎えても差し支えのないお年になったのにも関わらず、本を読んだり、研究に没頭したりと、全くそのようなそぶりを見せなくて。
さすがに心配した王様が、我が子を千尋の谷に突き落とすような心境で、王子様を嫁探しの旅に出しました。
お嫁さんを見つけられるまで、帰ってきてはいけないと、きつく念を押して。
さすがに、いつも優しい両親に甘えて、好き勝手なことばかりしてきた王子様も、親の心配が身にしみて、素直に旅に出てゆきました。

さて、旅に出てみたのはいいのですが、今まで研究一辺倒、ある意味ヒキコモリだった王子様は、女の子とまともに接したこともなく、どうしたものかと困っていたところ。
風の噂で、100年間いばらに閉ざされた城の中に美しい姫が眠っていると聞きます。
王子様は、人間が100年間も眠ったままなんて、そんな物理的にありえないこと、本当にあるのかと、真偽を確かめるために、その城へと向かいました。
美しい姫が、という部分は全く興味を示さず、ただ、100年間眠るという非常識なことが気になって。
まぁ、普通はそっちの方が気になるような気がしますよね。
だいたい、100年間も飲まず食わずで、眠れるわけないですから。
その前に、ミイラや腐乱死体、もしかしたら白骨死体になるのが普通ですものね。
まぁ、興味の惹かれ所はどうあれ、王子様は例のいばらの城へと赴いたのでした。





「よくこれだけ生い茂ったものだな・・・」

王子さまが辿り着いた噂のお城は、噂のとおり、本当にいばらに覆い尽くされたようなお城でした。
蔓の間から見える古ぼけた白っぽい煉瓦が見えなければ、ただのいばらの小山のようにも見えるお城。
その様子が、本当に長い間放置されていたものだということを物語っていました。
さて、いったい入り口はどこだろうと城を一巡りすると、一箇所だけ開かれたように、口を開いた扉がありました。
王子さまは訝しみながらもその扉をくぐって中へと歩みを進めます。
実のところ、今までも美しい姫、という風聞に載せられて、城を包むいばらも何のその、勇猛果敢にいばらを切り倒して突入したチャレンジャーな人も居たんです。
だから、姫のところまでは道が開けていたりするので、王子さまは新しく延びてきている蔓をちょっと避けながら進めばいいわけで、結構らくらく姫のところまで辿り着きました。

「・・・ぁ・・・」

それはまさに、運命の出会いとでも言うのでしょうか。
窓にまで生い茂った蔓が風に揺られて、まるで木漏れ日のようにきらきらと陽光が室内に降り注いでいて。
その光を浴びるように広い寝台に眠る姫のなんと美しいことでしょう。
真っ直ぐで長い髪は濡れたように艶やかで、眠る顔はとても穏やか。
閉じられた瞳は長い睫が彩って、そこから現れる瞳はどんな色なのかと心を惹かれます。
それに、唇。
それは見るものを誘うように、触れれば心地よさそうな形の良い唇。
とても100年間もここにいたとは信じられないような鮮やかさで姫は眠っていました。

「なんて美しい」

実のところ、美意識というものがちょっとというか、かなり欠如している王子さまにもその姫は美しいと感じられ、つい口からはそんな言葉が漏れました。

「・・・美しい・・・、のだけれど。何だ、何かおかしいような・・・?」

そう、そんな美しい姫であるにもかかわらず、100年も眠りこけ続けたのは姫が姫でなかった為です。
どういうわけか、超絶美少年だった姫は、眠っている間にちょっとだけ成長しちゃったようで。
美しい顔立ちも、髪もそのままだったりしたんですが、成長しちゃえばやっぱり男らしさってものも現れ始めまして。
背丈も伸びて、さすがに姫というには図体がでかく、その上、眠っていたのにもかかわらず、どういうわけかそれなりにっていうか結構精悍な体つきになんかなっちゃったりして。
どっからどう見ても、かっこいい男の人になっちゃってたんです。
さすがにそうなっちゃった姫を、姫と認識してキスする、ある意味勇敢なチャレンジャーはいなくて、元姫である彼は100年間も眠っていたのでした。
だけれど、王子さまは元姫の彼に見とれて、彼が男だとかそんな常識が吹っ飛んでしまったというか。
まさに、一目ぼれで頭の中が真っ白になってしまっていて。
普段なら、頭の隅も掠めもしない、情動に突き動かされて、その元姫の彼に口付けてしまっていたのでした。

「・・・! す、すみませ・・・っ」

自分の口唇に触れたやわらかく、心地いい感触に、一瞬我を忘れかけた王子さまでしたが、とっさに我に返り、身を放して謝ったのでしたが、それも全部は言葉にはなりませんでした。
口唇が離れ、元姫の彼の顔に目を移すと、小さく睫が震え、ゆっくりと宝石のような瞳が開いたのです。
鮮やかな海の色を映したようなその瞳は、まさに宝石のようでした。
その瞳に魅入られたように、王子さまはただその瞳に見とれていました。
ゆっくりと、意識を取り戻すように瞬きした元姫の彼は、これまたゆっくりと身を起こし、目の前で自分を食いいるように見つめる王子様に向き直りました。

「そんなに見つめられては、穴が開いてしまいそうだよ」

小さく笑いながらそう伝えた声もまた、眠りに落ちる前の声とは違って、少しかすれたようなテノール。
もろ下半身直撃系の美声でした。
その声にも聞き惚れて、王子さまが真っ赤になっていると、元姫の彼はくすくすとまた笑いました。

「ふふ、可愛いね。ところで、君は誰だい?」

「・・・ぁ、わ、私は・・・」

「まぁ、名など後でも構わないね。ねぇ、ずっと眠っていたみたいで身体があちこち軋むんだ。少し、手を貸してはくれまいか」

「わ、解りました。・・・っぁ!?」

気だるげに腕を上げて、さりげに王子さまに助けを求める元姫の彼。
王子さまは素直に手を差し出したのですが、逆に腕を引かれて寝台に引き込まれてしまいます。
実は王子さまは男の人の割りにかなり華奢だったりするもんで、ついでにいうと、元姫の彼の方が背も高くガタイもよかったので、そうなるのは火を見るよりも明らかだったのですが。
急な体勢の変化に王子さまが驚いて、目を白黒させていると、さも楽しそうに元姫の彼は笑いました。

「ふふ、捕まえた」

「な、何・・・?」

「寝覚めの運動、付き合ってくれるだろう?」

「はっ?」

微笑めば、百発百中陥落させてきた元姫の彼は、王子さまの意外な反応にちょっと驚いたようでした。
けれど、それ以上に驚いたのは王子さまの方で。
寝台に引き込まれ、元姫の彼の胸の上に倒れこんで、ようやく相手の正体に気づいたらしく、王子さまは叫びました。

「100年眠ってる姫って・・・、姫じゃないじゃないですかーっ!」

「私は自分で姫だなんていった覚えはないけど?」

けれど、相手は100年眠っててもおきぬけ一発にこんなことができる人です。
けろりと、返事ともつかない反論を返して、にやりと笑いました。

「君も男の子のようだけど、私はあまり気にしないよ。君はとても可愛いしね。でも、私は押し倒されるより、押し倒す方が好きなんだ」

「私だって、押し倒されるのは御免こうむ・・・っ」

どうやら元姫の彼は、今までにいなかったタイプの王子さまを気に入ってしまったようで、楽しげにそんなことをいいました。
もちろん王子さまだって反論しますが、時すでに遅し。
がっちり組み敷かれて、身動きの取れない状態にされていたのでした。

「わ、私は男なんですよ!」

「だから、私は気にしないって言ってるだろう?」

「私は気になります! っていうか、貴方も気にしなさいっ!!!」

「あはははは。可愛いねぇ」

声高らかに元姫の彼は笑い、王子さまは必死の形相で足掻いたのですが、体格差に抵抗は無駄に終わり。
噛み合っているんだか、噛み合っていないんだか解らない応酬が延々と繰りさえながらも、いつの間にやら甘い声も混じり始めて。
人の立ち入りを阻んでいたいばらの城は、違う意味で、また暫くの間、人の立ち入りを阻んだとか。

彼らが運命の出会いをしたのかどうかは謎のまま。


END

***** あとがき。*****************************************

・・・終わり。終わってなくても終わり。<待て
彼らの喧嘩を書き始めたらホント長いんで。(笑)
つーか、言い合い始めた時点で収拾つかなくなりました、ごめんなさい。
本来だったら、二人は王子さまのお城で幸せに恙無く暮らすんですよね?
・・・でも、連れて帰るはずの姫が男で、王子さまが押し倒されて、って連れて帰れないじゃん、嫁じゃないし。
この二人で童話をやろうとしたのが間違いですかねー・・・。
童話だからと、かなり軽いノリで突っ込みいれながらのいつもと違う文体なんですが、それもまずかったですかね。(汗)

実はこのお話、仕事中に唐突に思い浮かんで、仕事中延々と考えてました。
何やってんだって感じですね、マジで。

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