徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 二次創作BL中心、腐女子バンザイ乱行三昧。 |
お題サイトからお題をお借りしました。
実は2パターンあるんですが、こちらは千尋バージョン。
私にしては珍しくNL。<それもどうなんだ
相手は、風早です。
お借りしたのは下記サイトから。
10の約束(http://studiochaos.web.fc2.com/)
(遙か花街より再録)
【01 大きくなったら結婚しようね(千尋ver.)】
学校の帰りに、急に泣き出したと、那岐が千尋を預けてきた。
こちらの世界に来てまだ数ヶ月。
記憶の操作は、心の奥深くに巣食う不安と恐怖まではかき消せないようで、無理に押さえ込まれた記憶のせいで得体の知れない恐怖だけを感じるのだろう。
千尋はこうして、時々泣き出してしまう。
悲しく苦しい、辛いばかりの記憶は消せても、その不安や恐怖は俺の力では消せはしない。
だからただ、俺にはこうして千尋を抱きしめて、今ある平和を千尋に言い聞かせる事しか出来ない。
「大丈夫です。俺も那岐もここにいます。一緒にいますから」
「ずっと、離れない? ずっと一緒にいる?」
「・・・」
その言葉に、微笑だけ浮かべる。
ずっと一緒だと、言葉だけで述べるのは簡単だ。
けれど時が来れば、この平穏な時間は消えてしまう。
俺はそれを知っている。
だから、答えることが出来ない。
壊れるとあらかじめ知っている平和。
ささやかな幸せの中にいる千尋。
時が来れば、辛い運命に立ち向かわなければいけない千尋に嘘をつきたくなかった。
「ねぇ、風早。結婚って知ってる?」
ようやく涙が治まってきた千尋が、不意に聞いてくる。
結婚とは、確かこちらの世界では婚礼の意味。
「結婚、ですか?」
「うん、ずっと一緒にいるっていう約束」
問い返せば、俺の服を掴んで千尋が真っ直ぐこちらを見上げてくる。
澄んだ瞳が、一点の曇りもなく俺を見つめる。
「だから風早、大きくなったら結婚しようね。結婚は大きくならないと出来ないみたいだから、大きくなったら・・・」
言葉を発した後、真っ直ぐな瞳が、不安に揺れた。
千尋は、拒絶される恐怖を知っている。
記憶の彼方にうずもれた悲しい記憶が、彼女を不安にさせるのだろう。
約束は出来ない。
ずっと一緒にいることは出来ないと、俺は知っているから。
彼女には嘘をつきたくない。
だから。
「千尋が大きくなったら、ね・・・」
抱きしめる腕に力をこめ、曖昧な言葉で返す。
ずっと一緒にいると、約束できたら、その約束を守れたらどんなにいいだろう。
この幸せが、永遠に続くならばどんなにか。
けれど、壊れる時を知っている俺には、ただこの腕で千尋を抱きしめるしか出来なかった。
―終―
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もう1パターンはBLです。
風忍ですよ、何気に。でも載せるか微妙・・・。
イマイチまとまらないんで。